このページでは、就職活動で企業から提出を求められる「成績証明書」について解説しています。
新卒採用の場合、ほとんどの企業で成績証明書の提出が求められます。
成績証明書を提出するときは、企業から指定された方法に従い、ビジネスマナーを意識して提出することが大切です。
提出期限に間に合うように、成績証明書を提出するときに気をつけたポイントをチェックしましょう。
就活のときに成績証明が求められる理由とは?
卒業できるか確認するため
新卒採用の場合、3月に大学を卒業し、基本的に4月入社が前提です。
必要な単位数が足りず卒業できないということになれば、予定通りに入社できません。
せっかく内定を出したのに入社できなければ、採用活動にかけてきたコストや時間が無駄になってしまいます。
成績証明書を確認する理由は、「予定通り入社できる人材かどうか」最終確認するためと言えるでしょう。
学歴に嘘がないかみるため
成績証明書と履歴書やエントリーシートを見比べて、内容に矛盾がないか、企業はチェックしています。
応募書類は学生自身の判断で作成するため、自分をより良くアピールしようと、虚偽の内容を記載する人もゼロではありません。
例えば、自己PRに「大学で経営学を専門に学んだ」と書いてあるのに、実際に専攻していたのが「教育学」であれば矛盾が生じます。
学歴詐欺と捉えられてしまえば、内定取り消しはもちろん、社会的信用も失うことになります。
提出した書類に偽りがないかどうか、成績証明書で検証されることを覚えておきましょう。
応募者の人柄や興味を知るため
成績証明書には、在学中に履修した科目と成績が記載されています。
どんな科目を選択してきたのか見れば、応募者がどんなことに興味関心があるのか、得意分野は何かを知ることができます。
大学で学んだことが業務内容に直結する場合は、必要な科目がきちんと履修できているか、十分な成績かどうか、確認されているでしょう。
また、成績証明書の内容から「なぜこの講義を受けようと思ったのか?」と、面接で質問されるケースもあるようです。
例えば、国際事業部を志望している学生が、外国語や国際経済の分野を積極的に履修していることがわかれば、志望度の高さを伝えることができるかもしれません。
これまで勉強してきたことを辿れば、応募者の人柄を知ることもできます。
面接で聞かれても困らないように、履修した科目の内容や、選択した動機を振り返っておきましょう。
成績証明書が求められるタイミング
選考段階で提出する
成績証明書を提出するタイミングは、企業によってそれぞれ違います。
一般的に、二次面接や最終面接など、選考の終盤で提出を求められる傾向にあるようです。
つまり、成績証明書を提出するということは、内定に近づいているとも読み取れます。
面接に間に合うように成績証明書を発行し、採用担当者に気持ちよく受け取ってもらえるよう適切な準備をしましょう。
内定承諾書と一緒に提出する
成績証明書は、内定が通知された後に提出するケースもあります。
新卒採用の場合、条件に大学の卒業が含まれているため、成績証明書は予定通り卒業できることを証明する重要な書類になります。
また、成績証明書だけでなく内定承諾書など他の書類と一緒に提出することがほとんどです。
内定しているからと油断せず、必要な書類は早めに揃えておきましょう。
成績証明書の発行の仕方
大学の窓口で申請する
成績証明書を発行するには、大学の事務室など、所定の窓口に申請する方法があります。
大学の窓口に直接出向いて申請する方法のほか、オンラインや郵送で申し込むことも可能です。
窓口に直接申請する場合は、即日発行してもらえるところが多く、早ければその日のうちに証明書を受け取ることができます。また、必要に応じて厳封にも対応してもらえます。
しかし、窓口の受付時間が決まっているため、大学が閉まっている時間帯や休日、長期休暇中は申請することができません。
また、自宅に郵送してもらう場合は、配送状況によっては手元に届くまでに数日〜1週間程度かかる可能性もあります。
既に大学を卒業している人は、基本的に郵送で取り寄せになる上、在校生よりも発行に時間がかかる場合が多いようです。
必要なタイミングですぐに提出できるよう、成績証明書は時間に余裕を持って準備しましょう。
証明書自動発行機で発行する
学内に証明書自動発行機が設置されている場合は、より手軽に成績証明書を発行できます。
証明書自動発行機は、手続きのために窓口に並んだり、郵送されるのを待つ必要がないといったメリットがあります。
しかし、窓口と同じように、証明書自動発行機も大学が開いている時間帯でしか使えません。
簡単に発行できるからと油断せず、成績証明書は早めに準備しておきましょう。
マルチコピー機で発行する
大学によっては、コンビニのマルチコピー機を利用して、成績証明書を発行できるサービスを導入しているところもあります。
PCやスマートフォンから申請し、ネットワークプリント機能を使って発行できるので、わざわざ大学に出向く必要がありません。
必要なタイミングでいつでも発行できるので、急に成績証明書が必要になったときも安心です。
効率よく就活するためにも、便利なサービスは積極的に活用しましょう。
成績証明書の提出方法
手渡しする
選考の途中で成績証明書を提出する場合は、面接で「手渡し」することがほとんどです。
成績証明書を面接で手渡しするときは、クリアファイルに入った成績証明書を封筒に入れて持参します。
面接が始まったら、封筒の上に成績証明書の入ったクリアファイルを乗せて、採用担当者に直接手渡しましょう。
成績証明書が厳封されている場合は、指示がない限りそのままの状態で提出するのが鉄則です。
成績証明書は、大学が学生の成績を証明する公式の書類です。
丁重に扱い、紙1枚で提出することがないようにしましょう。
郵送する
内定通知後に成績証明書を提出する場合は、「郵送」で対応するのが一般的です。
成績証明書を郵送するときは、手渡しするときと同じように、クリアファイルに入れてから封筒に収めます。
封筒はポストに投函しても問題ありませんが、できるだけ郵便局の窓口を利用しましょう。
窓口に持ち込むことで、切手不足を防げる、タイムロスがない、集荷中に雨で濡れるのを避けられる、などメリットがたくさんあります。
また、企業から指示がなければ「普通郵便」で出すのが基本です。
期限に間に合うよう、時間に余裕をもって準備しましょう。
メールで送る
成績証明書の提出は手渡しや郵送が大半ですが、少しずつメールでの提出を許可する企業が増えてきています。
メールで成績証明書を提出するときは、原本をコピー機でスキャンする、もしくはカメラで写真撮影したものを「PDF化」して添付します。
成績証明書は個人情報であるため、必要に応じてパスワードを設定するなどセキュリティ対策を施しましょう。
最近は、PDF化された証明書を発行する大学も増えてきており、今後は電子証明書が主流になっていくかもしれません。
しかし、企業側から指示がないのに、一方的にメールで送るのはNGです。
企業からの案内をよく読んで、指定された方法で提出しましょう。
成績証明書を郵送するときの手順
添え状を準備する
成績証明書を郵送で提出するときは、「添え状」を付けるのがマナーです。
添え状には、書類を送る目的、書類の種類、枚数などを、受け手に知らせる役割があります。
用件がひと目でわかるように「成績証明書の送付につきまして」や「書類送付のご案内」など、添え状には件名を記載しましょう。
正しい順番で揃える
成績証明書と添え状の準備ができたら、クリアファイルに入れる順に整えます。
必要な書類が揃っているか、採用担当者が確認しやすいように揃えましょう。
まず、添え状を1番上にし、その下に成績証明書を重ねます。
提出書類が複数枚ある場合は、企業からの案内と同じ順番で揃えておくと安心です。
裏表や、上下が逆さまになっていないかどうか、必ずチェックしましょう。
クリアファイルに入れる
成績証明書は、クリアファイルに入れてから封筒に収めましょう。
クリアファイルは、書類をひとまとめにするだけでなく、汚れや破損から守ってくれます。
成績証明書は、一般的にA4サイズで発行されるため、クリアファイルもA4サイズを選びます。
三つ折りで厳封されている場合も、添え状の大きさに合わせ、A4サイズのクリアファイルでOKです。
外から中身が確認できるよう、無色透明のものを準備しましょう。
白い封筒に入れる
成績証明書を郵送するときは、白色の封筒に入れて送りましょう。
一般的に、茶封筒は社内のやり取りで使われます。
成績証明書のような正式な書類を送る時は、よりフォーマルな印象の白色の封筒がおすすめです。
封筒の色が違うと、企業側が郵便物の仕分けがしやすいというメリットもあります。
封筒の大きさは、A4のクリアファイルがすっぽり入る「角形2号」を準備しましょう。
成績証明書を郵送するときの封筒の書き方
表面には「成績証明書在中」と赤字で書く
封筒の表面には、企業の住所、会社名、部署名、担当者名を記入します。
成績証明書を送るときは、封筒の中身がひと目でわかるように「成績証明書在中」と赤字で書き、文字の周りを赤い四角で囲みます。
もしくは他の応募書類も同封している場合は、「応募書類在中」と同様に赤字で書き、文字の周りを囲みます。
宛名が縦書きの場合は、封筒の左下あたりに記載するのが一般的です。
赤字や囲み線で目立たせることで、重要な書類が入っていることを相手に知らせることができます。
採用担当者へ確実に封筒が渡るよう、「成績証明書在中」の文言は忘れずに記載しましょう。
裏面には学校名・学科名も書く
封筒の裏面には、応募者の住所と氏名を記載するのが基本です。
新卒採用の場合、大学名、学部・学科名も記入します。誰から届いた書類か判別しやすくなるので、採用担当者に親切です。
自分の住所であっても、都道府県から記入し、ビル名やマンション名なども省略せずに書きましょう。
大学名、学部・学科名も省略せずに正式名称で書くのが基本です。
封筒ひとつとっても応募者の人柄が表れます。丁寧な印象を与えられるよう細かいところまで気を配りましょう。
成績証明書を提出するときの注意点
提出期限に注意する
成績証明書の提出期限は、企業の採用スケジュールによって異なります。
いつでも発行できると油断していると、提出期限寸前になって慌ててしまう可能性があります。
成績証明書の申請〜発行には、窓口の場合、数日〜1週間程度かかることがあります。
また、自動発行機を使う場合も、利用時間外であれば、後日改めなければなりません。
成績証明書が求められるのは、採用段階の終盤が多く、内定間近の重要な時期です。
就活が忙しくなる前に、余裕をもって成績証明書を発行しておくのがおすすめです。
厳封であれば開けずに提出する
厳封とは、機密性の高い書類に対し厳重に封筒を閉じることで、文書の改ざんを防止するのが目的です。
そのため、厳封された封筒を開けてしまうと、その書類は無効になってしまいます。
企業側から厳封の指示があった場合は必ず従いましょう。
もし、どうしても中身が見たい場合は、自分用に余分に申請する方法もあります。
コピーは使用不可
成績証明書に限らず、履歴書など採用に関わる書類は「原本提出」が原則です。
コピーした証明書を使い回すと、偽造や隠蔽を疑われ、書類の信憑性がなくなってしまいます。
受け取った採用担当者が「本当にうちで働きたいのかな?」「仕事でも同じ用なことをするのでは?」と思えば、採用に悪影響を及ぼすかもしれません。
不誠実な印象を与えないよう、成績証明書のコピーは絶対に避けましょう。
成績証明書の提出が間に合わないときの対処法
採用担当者に電話で連絡する
成績証明書がどうしても期限に間に合わないときは、採用担当者に電話で連絡しましょう。
気がついた時点ですぐに連絡するのが望ましいですが、状況次第では先にメールで状況説明して、後から電話することもできます。
まずは素直に謝罪し、提出が遅れる理由を正直に説明することが大切です。
その後、いつまでに提出できるか伝え、成績証明書がなくても選考に参加できるかどうか確認します。
期限に間に合わないという失敗は誰にでも起こり得ることですが、重要な場面では信用を失いかねません。
就活中は何かと忙しくなりますが、日頃から計画的な行動をこころがけましょう。
予備を複数枚発行しておく
成績証明書の提出が間に合わない事態を防ぐには、何枚か予備を準備しておくのがおすすめです。
新卒採用の場合、選考の途中で提出が求められる場合があり、タイミングがいくつかの企業で被る可能性が出てきます。
予め何枚か発行しておけば、提出が求められたときにすぐ活用でき、万が一汚したり紛失したりしても、慌てずに対応することができます。
提出期限内に余裕を持って提出するためにも、必要になりそうな枚数を予測して、早めに発行しておきましょう。
成績証明書に関するよくある質問
成績証明書は4年間すべてのものが必要ですか?
成績証明書は、最新の成績が含まれたものを提出するようにしましょう。
証明書の発行時には、その時点での最新成績が自動的に記載されるため、学生が特定の期間を指定する必要はありません。
例えば、4年制大学の場合、4年生の前期に提出が必要であれば「3年生の後期」までの成績が、4年生の後期に提出する場合には「4年生の前期」までの成績が含まれます。
成績証明書の準備は早めに進めることが望ましいですが、あまりにも早く発行すると再提出が必要になる場合があります。
選考の進捗を見ながら、発行するタイミングを判断しましょう。
成績証明書には何が記載されていますか?
成績証明書には、主に以下のような項目が記載されています。
- 氏名:学生のフルネーム
- 生年月日:学生の誕生日
- 学籍番号:大学での個別の識別番号
- 履修科目:学生が履修した全ての科目の名称
- 成績評価:各科目ごとの成績(A、B、Cなどの評価、または点数)
- 取得単位数:履修科目ごとに取得した単位数
- 履修期間:学んだ期間、学年ごとの履修状況
- 卒業要件:卒業に必要な単位数や条件が満たされているかの確認(卒業見込みの場合はその旨が記載されることもあります)
就職活動において、成績証明書の記載内容が採用結果に直接影響を与えることはほとんどありません。
企業は成績証明書を通じて、学生が順調に卒業できるかを確認し、さらに応募者の興味を持つ分野や人柄を知る手がかりとして活用すると考えられます。
また、履歴書など他の応募書類との整合性を確認するためにも使用されるため、自己PRや実績を誇張せず、正確な情報を記載することが大切です。
封筒に入らない場合は折っても大丈夫ですか?
成績証明書を封筒に入れる際、サイズが合わない場合でも、折らずに提出することが望ましいです。
成績証明書は正式な書類であるため、折れや汚れがあると受け取る側に対して印象が悪くなる可能性があります。成績証明書などの重要書類を送る際は、適切なサイズの封筒をきちんと用意することが大切です。
A4サイズの成績証明書であれば、角形2号や角形A4など、A4サイズがそのまま入る封筒を使用するのが理想的です。もし自宅に適した封筒がない場合でも、コンビニで手軽に購入できます。
少し面倒に感じるかもしれませんが、書類を折らずに丁寧に送ることで、相手に対する印象も良くなります。
大事な書類だからこそ、適切な封筒を準備して、きちんと発送しましょう。
成績証明書は合否に関係するのか?
成績を見られていると思うと不安を感じるかもしれませんが、成績証明書の内容が採用の合否を左右することはほとんどありません。
企業が成績証明書を求める1番の理由は、大学を予定通り卒業できるかどうか、履歴書に矛盾がないかどうかを確認するためだからです。
新卒採用の場合、卒業見込みがないと判断されれば、採用をためらわれる可能性があるので、心当たりのある人は注意が必要です。
企業が採用活動で重視しているのは、学校の成績よりも、応募者の志望動機や自己PR、人間性です。
成績に自信がないからといって、落ち込む必要はありません。
自分の魅力をしっかりアピールできるよう、面接に向けた準備に注力しましょう!
- 成績証明書は期限内に確実に提出しよう!
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成績証明書を郵送するときは、クリアファイルに入れてから封筒に入れよう!
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成績証明書は合否に影響しない。素早く提出して面接対策に力を入れよう!