履歴書の「資格欄」は、応募者のスキルを具体的に記載できる重要な項目です。しかし、資格であれば何でも記載できるわけではありません。

書くべき資格と書かないほうがよい資格には、一定の目安があります。この記事で紹介する判断基準をもとに、効果的な資格だけを記入していきましょう。

正しい書き方に加え、「資格がない場合」「取得予定の場合」といったケースの記載方法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

履歴書の資格欄には何を書く?【判断基準】

仕事内容・応募職種に関連する資格を優先して書く

履歴書の資格欄は、応募する職種にどれだけ適性があるかを示す重要な項目です。

そのため、まず書くべきは「仕事内容に直接関係する資格」といえるでしょう。

例えば、経理なら簿記、事務職ならMOS、営業なら普通自動車免許、IT職なら基本情報技術者など、業務に必要なスキルを裏付ける資格が最も高く評価されます。

採用担当者は、資格欄を見ることで「すぐに戦力として働けるか」「必要なスキルをどれだけ持っているか」などを判断するため、関連性の高い資格を上位に記載することが効果的です。

資格を複数持っている場合でも、応募企業との関連性を基準に取捨選択することで、読み手にとって分かりやすく、印象に残りやすい資格欄になります。

企業が評価しやすい資格の特徴を把握する

資格の種類は非常に幅広く、全てが同じように評価されるわけではありません。

企業が特に評価しやすいのは、客観的にスキルを証明できる「国家資格」や「公的資格」「業務に必要な専門資格」です。

宅建、社会保険労務士、建築士、介護福祉士などは専門性が高く、採用側にとって即戦力性を判断しやすいため、業務に適性がある場合は高評価につながります。

また、更新制度がある資格や実技試験を含む資格は、習熟度や責任感を示す材料にもなります。

どの資格を履歴書に記載するか迷ったときには、「会社側がその資格の価値を理解しやすいもの」「業務基準や法律に関係するもの」を優先して選ぶとよいでしょう。

語学・IT・事務系などのスキルは幅広い業界で評価されやすい

語学力やITスキル、事務系の実務スキルを証明する資格は、業界や職種を問わず幅広く評価されます。

TOEICや英検などの語学資格は、海外とのやり取りが多い企業だけでなく、社内の資料作成やメール対応にも役立ちます。業界を問わず、多くの企業で重視される傾向があります。

また、ITパスポートや基本情報技術者などのIT系資格は、DX化が進む現在において事務職や営業職でも評価されやすい資質といえるでしょう。

MOSや日商PC検定などの事務系資格も、Word・Excelの操作スキルを客観的に示せるため、即戦力として期待されるポイントとなります。

このように、専門職でなくても活かせるスキル系資格は、履歴書のアピール材料として非常に効果的です。

趣味・娯楽系など業務と無関係な資格は不要

業務との関連性が低い資格や、趣味・娯楽に分類される民間資格は、原則として履歴書には記載しないほうが無難です。

例えば、占い・アロマ・スピリチュアル系の資格など趣味として取得した検定類などは、仕事の適性を判断する材料にはなりにくく、場合によっては「仕事と関係のない情報が多い」と受け取られてしまう可能性もあります。

資格欄は限られたスペースのため、業務に活かせる情報を優先し、関係性の薄い資格は控えることが重要です。

どうしてもアピールしたい場合は、志望動機や自己PRで簡潔に触れるなど、別の欄で表現するとよいでしょう。

履歴書の資格欄に書ける資格例

国家資格

<主な国家資格>

  • 宅地建物取引士
  • 社会保険労務士
  • 行政書士
  • ファイナンシャルプランナー
  • 看護師・准看護師
  • 介護福祉士
  • 保育士
  • 管理栄養士
  • 電気工事士
  • 建築士(1級・2級)

国家資格は、法律に基づいて国が定めた資格であり、専門性の高さや業務独占性を持つものが多いため、企業からの評価が特に高い傾向にあります。

業務に必要な知識・技術を習得していることが客観的に証明できるので、即戦力性を示す材料として強力です。

こうした国家資格は、それぞれの職種で必要とされる専門性が異なります。応募する仕事との一致度が高いものを中心に取り上げましょう。

また、国家資格は信頼度が高いため、経歴の正確さを裏付けることにもつながります。信用と職務適性を示す上でも非常に効果的なアピール材料となるでしょう。

語学系の資格

<主な語学系資格>

  • TOEIC
  • TOEFL
  • 英検(実用英語技能検定)
  • IELTS
  • 中国語検定
  • 韓国語能力試験(TOPIK)

語学系資格は、グローバル化が進む現代の職場において、業界や職種を問わず高く評価されやすい分野です。

特にTOEICは国内企業での認知度が非常に高く、スコアによってビジネスの実務レベルが判断しやすいため、強みが伝わりやすいアピール材料です。

また、海外との取引がある企業以外でも、メール対応や資料読解などで英語力が役立つ場面は増えているため、一定以上の語学スキルは強みになりやすい傾向です。

英語以外にも、中国語や韓国語などアジア圏の言語は需要が高まっており、観光業・販売業・貿易業などで活かせます。

語学資格は取得レベルやスコアが明確に示せるため、スキルとしての水準も理解してもらいやすいでしょう。

ITスキル系の資格

<主なITスキル系資格>

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者試験(FE)
  • 応用情報技術者試験(AP)
  • MOS(Microsoft Office Specialist)
  • Google認定資格(アナリティクスなど)
  • CompTIA(A+・Network+・Security+)

ITスキル系の資格は、DX化が進む現代のビジネス環境において活かせる場面に事欠きません。専門職はもちろん、事務職や営業職でも高く評価される傾向があります。

特にITパスポートは基礎的なIT知識を証明できるため、業界を問わず幅広い企業で評価対象となります。

エンジニア志望の場合は、基本情報技術者や応用情報技術者などの高度資格が実務能力の証明になり、有利に働きます。

また、MOSはOfficeソフトの操作スキルを客観的に示せるため、事務職・総務・営業サポートなどの職種で有効です。

ビジネス系の資格

<主なビジネス系資格>

  • 日商簿記
  • ビジネス実務法務検定
  • 秘書検定
  • ファイナンシャル・プランナー(FP)
  • サービス接遇検定
  • 販売士(リテールマーケティング検定)

ビジネス系資格は、業務全般に必要な基礎知識やコミュニケーション能力・文書作成能力・法律知識などを証明できるため、多くの職種で活用しやすい汎用性の高い資格です。

日商簿記は経理だけでなく事務・管理部門でも評価され、数字への理解度を示す材料になります。

また、ビジネス実務法務検定はコンプライアンス意識の高さを示せるため、企業としても重要視されるでしょう。

秘書検定やサービス接遇検定は、ビジネスマナーやコミュニケーションスキルを客観的に証明できるため、接客・事務・営業など幅広い職種で有利です。

ビジネス系資格は実務に直結しやすいため、職歴欄での業務経験に合わせて記載することで強いアピールにつながるでしょう。

履歴書の資格欄に書かない方がよい資格

趣味・娯楽系の資格

業務に直接関係しない趣味・娯楽系の資格は、履歴書の資格欄には基本的に記載しない方が無難です。

例えば、セラピーや占い、ハンドメイドなどの資格や修了証は、業務能力を判断する材料として扱うことが難しいです。資格欄に記載しても、高い評価にはつながりにくい傾向があります。

そのため、こうした趣味・娯楽系の資格は、資格欄ではなく趣味・特技欄に記載することをおすすめします。

「好きなことに打ち込む姿勢」「人柄・価値観」を伝えるきっかけになり、面接での話題のきっかけにもなるでしょう。

スポーツ・実用系の資格

スポーツ系や実用系の資格も、業務内容と結びつかない場合は資格欄に記載しないのが一般的です。スイミング指導資格、キャンプインストラクター、自転車整備士、ヨガ資格などが該当します。

これらは教育・スポーツ指導・アウトドア関連の仕事であれば評価されますが、一般的な事務職や営業職ではアピールとして弱い傾向があります。

ただし、スポーツ経験はチームワークや継続力を伝えるきっかけにもなります。趣味・娯楽系の資格と同様に、趣味・特技欄へ書いておくとよいでしょう。

等級が低い資格

検定や資格には級やレベルが存在しますが、等級が低い資格(例:英検5級、簿記4級、漢検7級など)は、ビジネス実務として評価されにくいため、履歴書には書かないようにしましょう。

中学~高校の学習範囲で取得できるような初級レベルの資格は「基礎知識の範囲」と捉えられることが多く、アピールにはつながりにくいのが実情です。

ただし、上位資格の取得に向けて学習中である場合は、志望動機や自己PRでスキルアップの姿勢を示す材料として活用できることもあります。

資格欄には一定以上のレベルを持つ資格のみを記載し、その他は記載を控えるか別の項目で補足するのが適切です。

目安として、大学以降に学習するものや、専門的な知識・実習が必要な資格のみを記載しましょう。

履歴書の資格欄の書き方

資格名は正式名称で記載する

履歴書に記載する資格名は、略称ではなく正式名称で書くことが基本です。略称で書くと正確な資格情報が伝わらず、採用担当者に誤解を与えかねません。

「簿記2級」は「日商簿記検定2級」、「MOS」は「Microsoft Office Specialist」など、正式な名称で記載することで正確性と信頼性が高まります。

また、正式名称で書くことはビジネスマナーのひとつでもあり、資料作成力や細かい作業への意識の高さも伝えられるでしょう。

特に、事務職や総務、経理など細かな情報管理が求められる職種では、正しく表記されているかどうかが評価のポイントになることもあります。

資格欄は採用担当者が最初に目を通す部分でもあるため、読み手にとって分かりやすく、間違いのない情報提供を心がけることが重要です。

取得年は和暦・西暦で統一する

資格の取得年・取得月は、履歴書全体で「和暦」または「西暦」のどちらかに統一して記入しましょう。

学歴や職歴が和暦で書かれているのに、資格だけ西暦になっていると、読み手に違和感を与えてしまいます。表記を統一することは、応募書類における基本的なマナーのひとつです。

西暦と和暦はどちらを使っても評価に差はありませんが、一般的には西暦のほうが好まれる傾向があります。

特に、近年では年号を跨いでいる経歴があることも多いため、より直感的に理解できる西暦表記がおすすめです。

書ききれない場合は関連する資格を優先する

資格を多く保有している場合、履歴書のスペースに全てを書ききれないケースもあります。その場合は、応募する企業の仕事内容に関連する資格から優先的に記載しましょう。

採用担当者が知りたいのは「この仕事に対してどれだけ適性があるか」であり、関連性の高い資格ほど評価されやすくなります。

逆に、業務と関連性の薄い資格を並べてしまうと、かえってアピールポイントが分散し、本来伝えるべき強みが埋もれてしまうこともあります。

どうしても書ききれない場合は、志望動機や自己PRの中で補足する方法がおすすめです。資格欄には読み手にとって必要な情報だけを整理して書くことで、より効果的なアピールにつながります。

資格名の末尾に「取得」「合格」を付ける

資格欄には、資格名だけでなく「取得」または「合格」を末尾に付けることで、取得状況を正確に伝えられます。

「取得」は免許証や登録証の交付を受けて資格を正式に保持している状態を示し、「合格」は試験に合格したものの免許の交付前だったり、登録の必要がなかったりする種類の資格に用います。

間違った表記をしてしまうと、資格内容を理解していないと受け取られる可能性があるため、違いを理解して正しく使い分けることが重要です。

なお、「取得」または「合格」は、資格名の後ろに1文字分のスペースを空けて明記することがルールです。スペースを入れることで視認性が高まり、複数の資格を並べた際にも整った印象を与えられます。

記入欄の最後は「以上」で締める

履歴書の資格欄を全て書き終えたら、欄の最後に「以上」 と記入して締めくくるのが一般的なマナーです。「以上」を記載することで、ここで資格の記入が完了していることを示せます。

「以上」は最終行の一行下に右寄せで書くのが正式な配置です。記載する資格が多く、一行も残せない場合には、最後に書いた資格の右端に「以上」と書いても問題ありません。

これらは形式的なマナーではあるものの、「書き漏らしがない」ということを示す意味合いもある大切な表記です。

履歴書の信頼性を高めるために、必ず資格欄の終わりには「以上」と書いて締めましょう。

履歴書の資格欄に関するよくある質問

履歴書に書ける資格がない場合は?

履歴書に書ける資格がない場合でも、過度に気にする必要はありません。多くの企業では資格よりも人柄や経験を重視しています。

指定された資格がある場合を除いて、資格がない状態でも選考が不利になることはありません。

その場合は資格欄には「特になし」と記載し、自己PRや職務経歴書の中で実務経験やスキル、仕事への姿勢を示しましょう。説得力の高い文章を作成すれば、資格がなくても十分にアピールができます。

また、Excelやコミュニケーション能力など、正式な資格がなくても業務に活かせるスキルがある場合は、特技の欄で補足すると効果的です。

資格取得中や合格発表待ちの場合の書き方は?

<具体的な記入例>

  • 簿記2級(●年●月●日受験予定)
  • ITパスポート 取得予定(●年●月●日合格発表)
  • TOEIC公開テスト 取得見込み(●年●月受験・自己採点●●点)

勉強中・受験予定・合格発表待ちの資格は、「受験予定」「取得予定」「取得見込み」などの表現を使い、現状を正確に記載することが大切です。

「受験予定」はこれから試験を受ける段階で使用し、(●年●月●日受験予定)のように具体的な日付も添えると意欲が伝わりやすくなります。

「取得予定」は試験をすでに受け、結果待ちの状況で使うことが多い表現です。こちらも(●年●月●日合格発表)と日付を添えましょう。

「取得見込み」は試験の合格可能性や研修修了の見込みが高い場合に使用しますが、学習がほとんど進んでいない段階で記載するのは避ける方が無難です。

なお、「取得見込み」と記載した資格が万が一取れなかったとしても、それだけで必ず不採用になるとは限りません。

ただし、資格が業務に必須の場合は職種変更や内定取り消しの可能性もあるため、事前に求人の資格要件を確認しておくことが重要です。

資格は何級から書ける?

履歴書に書けるレベルの例
  • 英検2級以上
  • TOEIC600点以上
  • 日商簿記3級以上(経理職は2級以上が望ましい)
  • 漢字検定2級以上
  • MOS(スペシャリスト・エキスパート)
  • ITパスポート、基本情報技術者など国家資格
  • 秘書検定2級以上
履歴書に書かないほうがよいレベルの例
  • 英検3級・4級・5級
  • 漢字検定3級以下
  • 珠算検定3級以下
  • 日商簿記4級

資格には級やレベルが設定されていますが、履歴書に記載するのは「業務に活かせるレベル以上」が基本です。級数による難易度は資格によって異なりますが、一般的には2級以上を実務レベルとしてみなすことが多いです。

初級レベルの資格はスキル証明として弱く、資格欄に書いても評価につながりません。特に、「一般常識があれば取得できる」というレベルの資格は、評価対象外となるので注意しましょう。 

期限切れの資格は書いてもよい?

更新が必要な資格で期限が切れている資格は、履歴書へ記載しない方が無難です。特に、失効してから数年以上経過しているものは、現在のスキルの裏付けにすることも難しいでしょう。

直近で失効しており、すぐに再取得する予定の場合は「失効(○年○月 再取得予定)」といった表記が有効です。取得予定の資格とは異なり、既に取得したことのある資格となるため、入社後に再取得することは必須と考えましょう。

ただし、期限切れでも学習経験自体が評価されるケースもあります。アピール材料として触れたい場合は、志望動機や自己PRで補足するのもよいでしょう。

資格欄には「現在有効な資格」を中心に記載し、実務に直結する情報を明確に整理しておくことが重要です。

履歴書に書ける資格は積極的にアピールしよう

履歴書の資格欄は、応募者の強みを分かりやすく伝える重要な要素です。

資格がある場合は正式名称や取得年月を正しく記載し、業務に関連するものを優先して整理することで、採用担当者にあなたの専門性やスキルが伝わりやすくなります。 

一方、資格がない場合でも問題はなく、「取得予定」の資格を記載したり、自己PRで実務スキルを補ったりすることで十分にアピールは可能です。

履歴書作成に不安がある人は、簡単に履歴書が作れる「らくらく履歴書」を活用するのもおすすめです。テンプレートに沿って入力するだけで整った応募書類が作成でき、資格欄の記載も迷わず進められます。

正しく整理された資格欄は強力なアピール材料となるため、ぜひ効果的に活用しましょう。

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です