不動産営業は主に「売買仲介」「賃貸仲介」「不動産仕入れ」「不動産販売」の4つに分かれています。それぞれ役立つ強みや経験が異なるため、転職の際はこれらの違いを把握することが大切です。

この記事では、不動産営業向けの職務経歴書の書き方を解説します。さらに、職務経歴のまとめ方のサンプルや、アピールポイント別の自己PRも例文で紹介していきます。

「職務経歴に書ける実績がない」と悩んでいる方に向けた対処法も取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。

不動産営業の職務経歴書の書き方

取扱物件と取引経験を整理しておく

まとめておきたい経歴

  • 物件の種類
  • 物件の価格帯
  • 年間・月間の取引件数
  • 担当業務の範囲
  • 取引相手

職務経歴書を書き始める前に、まずは現在までの経歴を洗い出しておきましょう。企業の求人に合わせたアピールポイントを選びやすくなります。

特に、「物件の種類」「取引相手」は、多くの不動産会社が重視しています。取り扱った経験のある物件や、取引へ繋げた相手をなるべく多くリストアップすることが重要です。

ただし、具体的な取引相手の名前や取引金額を書くと、守秘義務に反するおそれがあります。「〇〇向け」「〇円~〇円規模の物件を担当」など、ある程度ぼかした表現に留めるように注意しましょう。

職務要約に意気込みは書かない

職務要約は職務経歴書で最初に目に入る項目です。職務経歴の概要を300字程度までに収め、長々と記述しないことがポイントです。

また、最初の項目だからといって、職務要約に意気込みや志望理由を入れるのはNGです。ここでは職務経歴に含まれる情報だけを、かいつまんで紹介する必要があります。

経験した企業名・勤務年数・担当業務・成果を簡単にまとめ、経歴順に記述するようにしましょう。

職務経歴には営業実績の数値を盛り込む

企業が最も知りたいのは、現職の企業の情報ではなく、あなた自身のスキルや実績です。そのため、企業名や事業内容などは簡潔に書き、担当業務と実績の記載にスペースを割きましょう。

担当業務の書き方は自由ですが、数が多い場合は箇条書きにすると読みやすくなります。その際もただ業務名だけを書くのではなく、「賃貸物件を探す顧客のヒアリングを行い、最適な物件を提案」のように具体性を高めると効果的です。

営業実績には具体的な数値を用いることで、能力の高さがより正確に伝わります。整理しておいた経験の中から、特に応募企業にマッチするものを使ってアピールしましょう。

自己PRは交渉力と顧客対応力が軸にしやすい

不動産営業で役立つ強みはいくつもありますが、中でも交渉力と顧客対応力は企業を問わず評価されやすいアピールです。

まずはこれらの強みを軸にして自己PRを組み立てていき、そこから自分の個性を出していけると良いでしょう。基礎力があることを示しながら、応募ポジションに応じた強みをアピールすることが重要です。

職務経歴で挙げた経験や実績のエピソードを交えて説明すると、さらに説得力が高まります。

手書きではなくPCで作成するのがおすすめ

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職務経歴書はPCで作成することが基本です。手書きと比べて完成が早いだけでなく、誤字・脱字の修正が簡単であり、一部の内容を使い回せるメリットもあります。

らくらく履歴書を使えば、さらに簡単に履歴書・職務経歴書を作成することができます。必要事項を入力していくだけで、整ったフォーマットで応募書類が出力される便利なサービスです。

完成した書類は無料でダウンロードでき、そのまま印刷やメール送信も可能です。

【職種別】不動産営業の職務経歴の記入例

売買仲介営業では信頼関係と成約率を重視

売買仲介営業の職務経歴の記入例

売買仲介営業は成約率だけでなく、顧客との信頼関係も重要です。実績を示しつつ、高い満足度を与えたことが伝わる経験をアピールすると良いでしょう。

記入例では、物件案内から引き渡しまで一通りの業務経験が述べられており、即戦力として期待されやすい内容になっています。

売買仲介の成約件数を伝える場合、月間平均か年間の合計で表すのが一般的です。月間最高件数のような形で数字を大きく見せようとすると、普段の活躍がわかりにくく、逆効果になります。

賃貸仲介営業はスピード感の伝わる経験を書く

賃貸仲介営業の職務経歴の記入例

賃貸仲介は、不動産業界では成約数が高い傾向にあり、スピード感のある業務が求められます。集客のアプローチに独自性があると評価されやすいでしょう。

業務内容は大きく「物件オーナーとの交渉」「入居希望者の対応」に分かれるため、両方を経験したことがあると好印象です。

また、客層に合わせた取り組みも重要です。記入例では学生向け物件について、学校との連携や新入生向けの説明会を実施するなどの経験が紹介できています。

不動産販売営業は販売手法がカギになる

不動産販売営業の職務経歴の記入例

物件の種類を明確にした上で、成約に繋げるための販売手法をなるべく詳細に書くことがポイントです。培ってきたノウハウが伝わるように経験を挙げてみましょう。

記入例では徐々に業務範囲を広げていき、具体的な成果に繋げたキャリアの流れを示すことができています。プロモーションに関わった経験からは、積極性も伝わります。

さらに、顧客一人ひとりのニーズに合ったアプローチを行ったことがあると、より強いアピールになるでしょう。

不動産仕入れ営業は交渉力の高さを伝える

不動産仕入れ営業の職務経歴の記入例

不動産仕入れ営業の職務経歴には、交渉力の伝わる経験を必ず取り入れましょう。特に単独で契約へ繋げた実績があると、説得力が高まります。

また、扱った物件の種類や価格帯などを、可能な範囲で記載すると良いでしょう。業務の具体性が増し、活躍をイメージしやすくなります。

不動産仕入れの成約件数は少ないことが通常であり、目立った数値でアピールできないこともあります。その場合は、件数ではなく売上への貢献度をアピールし、実績のインパクトが弱くならないようにしましょう。

【強み別】不動産営業の職務経歴書の自己PR例文

顧客対応力の自己PR

私の最大の強みは、顧客のニーズを正確に理解し、柔軟に対応できる点です。前職では、不動産を初めて購入するお客様や、購入後に不安を感じているお客様に対して、信頼関係を築き上げることを重視していました。例えば、最初は漠然とした要望しかなかったお客様に対しては、何度もヒアリングを繰り返し、お客様のライフスタイルや将来的なニーズを理解した上で最適な物件を提案しました。こうした対応を通じて、初めての不動産購入に対する不安を解消し、最終的に契約に繋げることができました。また、購入後のアフターサポートも欠かさず行い、顧客からは「お願いして良かった」と言われることが増えました。このような顧客対応力を活かし、貴社においてもより多くのお客様に対して最適な提案を行い、顧客満足度を向上させられると確信しています。(350字以内)

不動産営業の基本となる、顧客対応力を軸にした例文です。強く発揮された場面を明確に示した上で、顧客からの声も紹介することで説得力を高めています。

「ヒアリング」「不安の解消」といった形で、具体的にどんな顧客対応力なのかを明記できている点も良い部分です。

この内容に加えて、最終的に上げた成果についても書けると良いでしょう。職務経歴に記載した実績の中から、エピソードに合致したものを用いるのがおすすめです。

交渉力の自己PR

私は交渉の場において、双方の立場を理解し、納得感のある形で結果を導くことに自信があります。過去には、物件価格や契約条件の交渉を担当し、特に売主と買主の希望が食い違う場合でも、冷静に対応することができました。ある取引では、売主が価格を大幅に下げたくないという意向があり、買主側は予算が限られているという状況でした。その際、私は両者の立場を理解し、売主には物件の価値を適切に伝えるとともに、買主側には長期的な投資価値をアピールしました。その結果、双方が納得できる価格で合意を得ることができました。このような交渉の経験を積み重ねてきたことで、どんな状況でも冷静に対応し、最適な解決策を見つける力を養いました。今後も貴社において、この交渉力を活かして、より多くの契約を成立させ、双方にとって満足のいく取引を提供できると自信を持っています。(400字以内)

交渉力のアピールには、具体的な取引のエピソードが有効です。例文では課題を一つ一つ解決していった流れが明確で、交渉力の高さがうかがえます。

交渉力は、特に売買仲介や不動産仕入れの営業で重視されやすい強みです。達成した取引が困難であればあるほど、高い評価を受けられるでしょう。

目標達成力の自己PR

私は常に高い目標を設定し、それに向けて着実に行動することで成果を上げてきました。前職では、毎月の販売目標を設定する際、ただ数字を達成するだけでなく、その背後にある要因を深く分析して目標にアプローチしました。例えば、月間販売目標を達成するために、どの顧客層に焦点を当てるべきか、どの物件を優先的に提案するべきかをマーケットデータに基づいて判断し、戦略を立てました。その結果、目標達成率は常に95%以上を維持し、特に四半期ごとの大規模なキャンペーンでは、目標の120%を達成することができました。目標を達成するためには、日々の業務や対応において計画的に行動し、柔軟に戦略を変更することが重要だと感じています。この姿勢を貴社でも発揮し、確実に成果を上げていきたいと考えています。(350字以内)

目標達成率を数値で表すことで、目標達成力に説得力を与えられます。100%以上を達成していない場合でも、長期間高い水準を維持したことが伝われば問題ありません。

賃貸仲介・売買仲介の営業はノルマが設定されていることも多く、目標達成のエピソードを書きやすいでしょう。

例文では目標を定めるための分析に加え、達成するための取り組みも具体的に書けています。計画立てて行動できる人材として、採用担当者の印象に残りやすい内容です。

市場分析力の自己PR

私は市場動向を常に把握し、それに基づいて最適な営業戦略を立てることが得意です。前職では、競合他社の動向や地域別の価格帯、マーケットトレンドを詳細に分析し、売買のタイミングや提供する物件を見極めることで、より高い成約率を誇りました。たとえば、特定のエリアで急激に需要が増加している時期には、物件の販売価格や販売方法を見直し、ターゲット顧客層に特化したキャンペーンを実施することで、競争優位性を確保しました。また、顧客に対しても、その地域や物件の市場価値をしっかりと説明し、納得していただくことで、契約までスムーズに進むことができました。このような市場分析力を活かし、今後も変化の激しい市場環境の中で、貴社においても柔軟かつ迅速に対応し、成果を上げ続けることができると確信しています。(350字以内)

市場分析力は営業戦略を立てる際に活用できる強みです。また、顧客対応や交渉の場で納得性を高めることにも繋げられます。

不動産の仕入れ・販売に携わる際は、市場分析から適正な価格を見極めることが必要不可欠です。経験のある分析手法を説明し、活躍できるスキルを示すことが効果的です。

自己管理能力の自己PR

私は自己管理が得意で、常に高いパフォーマンスを維持するための工夫を怠りません。業務が多忙であっても自己管理を徹底し、期限を守りつつ、品質を落とさず業務をこなしてきました。営業活動においては、毎日のタスクを整理し、優先順位をつけて効率よく進めることを心がけました。また、業務量が多くなると、自己評価と反省を常に行い、どの部分で改善できるかを考えて次に活かすようにしていました。結果的に、営業成績は安定しており、大きなミスなく高い業績を維持することができました。この自己管理能力を活かし、貴社でも同様に成果を上げ、チームやプロジェクトの進行状況を適切に把握しながら効率よく仕事を進めていきたいと考えています。(350字以内)

営業職は進捗に追われたり、体力的に辛いことも起こりうる職種です。ノルマ達成のプレッシャーを抱えながらも、毎日着実に業務を進められることは大きなアピール材料になります。

自己管理能力をアピールする場合、単に「激務に耐える」と書くよりも、激務の中でパフォーマンスを維持する工夫を述べるようにしましょう。適切に自己管理できることが伝われば、長期的な活躍を見込んでもらえます。

自己管理能力は幅広く役立つ強みですが、中でも飛び込み営業や複数の案件対応が必要な企業では高く評価されるでしょう。

不動産営業の実績に自信がない時のアピール方法

数字にできない強みや成果を使う

数値で表せないせいかの例

  • 顧客対応の独自の工夫
  • 後輩の育成と定着率向上に貢献
  • 新しい管理ツールを導入して業務を効率化

業務の過程で独自性のある工夫をしたことや、社内へ貢献したことがあれば、十分な成果としてアピール可能です。

不動産営業の成果の多くは数値的なものですが、上記のような数値にできない成果でもアピールして問題ありません。

職務経歴欄を充実させたり、自己PRの軸を定めるために活用してみましょう。

ストレス耐性や継続力をアピールする

不動産営業は勤務時間や残業が多い傾向にあり、休日出勤も珍しくない業界です。そのため、激務の中で安定したメンタルを保ち続けられることも重要なアピールポイントになります。

能力があっても、理不尽なことや長時間の勤務に耐えられず転職する人は少なくありません。「何があっても継続できる」という強みは、明確な実績にはなりにくいものの、どの企業も重宝します。

ただし、業務内容に「週〇時間以上の稼働」と書くのはNGです。主に自己PRの中で、「多忙」「業務量」といったワードを使いつつ、安定して貢献し続けたことをアピールすると良いでしょう。

営業プロセスの改善も実績になる

不動産営業の成果といえば、多くは成約率や成約件数です。しかし、営業プロセスである「面談回数」や「資料請求件数」も同様に、売上に繋がる大切な成果です。

営業プロセスを改善し、数値的な向上があった場合は、職務経歴や自己PRでアピール可能な実績にできます。

その他にも、新たなアプローチ方法を提案したり、面談や商談の効率化を行ったことも有効なアピールです。

不動産営業の職務経歴書は便利なテンプレートを使おう

らくらく履歴書の紹介

不動産営業は職務経歴をわかりやすく、効果的にまとめることで転職を有利に進められます。この記事で解説した内容を参考に、自分の強みを的確に表す職務経歴書を作りましょう。

また、職務経歴書を作る際には、テンプレートを使用することがおすすめです。らくらく履歴書では無料のテンプレートを使って、見やすい応募書類を効率的に作成できます。

悩みやすい自己PRも例文を自動生成できるため、そこから改良していったり、ヒントを得たりすることが可能です。まずは一度お試しください。

らくだ先生
不動産営業の職務経歴書の書き方まとめ
  • 担当した物件の種類や価格帯は大きな判断材料になる!
  • 応募ポジションごとの求められる強みに合わせよう!
  • 業績以外の実績もアピールになる!

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