就職活動における職務経歴書の重要性や、職種に適した書き方のコツを具体的な事例を交えながら解説します。

職務経歴書の書き方の基本ポイント

職務経歴書は、自分の職務経験や能力を整理し、採用担当者に伝えるための重要な文書です。就職活動だけでなく、転職などの際にも提出を求められることが多い文書です。

職務経歴書を書く際には、採用担当者が過去の職務経験や任された仕事に対しての適正、そして新たな仕事に対する能力を見極めるために、過去の経験や担当業務などを示す必要があります。

■具体的な職務経歴書の情報は以下の通りです。

記載する情報

自分の情報

  • 基本情報(タイトル、日付、氏名、連絡先など)

  • 目的(求めるポジションや目標)

  • スキルの概要

  • 職歴(逆年月順)

  • 学歴・資格

  • その他(趣味、特技など)

職務経歴書は簡潔で明確な情報が求められます。ポイントを強調するために、過去の仕事での業績や成果、使用したスキルや経験を重点的に記載しましょう。

・具体的な例や数字を挙げる

例えば、達成したプロジェクトの規模、節約したコスト、成し遂げた目標などの具体的な数字や事例を挙げることで、自己PRがより効果的になります。

・適切な言葉遣いとフォーマット

丁寧な言葉遣いを心掛け、フォントやレイアウトは整ったものを使います。読みやすく、情報が整理されていることが大切です。

・カスタマイズ

応募するポジションや会社に応じて、職務経歴書をカスタマイズしましょう。重要なスキルや経験を強調することで、求めるポジションにフィットするようにアレンジします。

・簡潔にまとめる

A4サイズの用紙で 2ページ以内で書くのが一般的ですが、経験や資格が多い場合は3ページになることもあります。ただし、情報を簡潔にまとめることが大切です。

■利用されるタイミングとして以下のような例が挙げられます。

・就職活動

就職活動や転職活動の際に、企業に提出するために使用されます。求人応募時や企業への直接応募の際に、履歴書と一緒に提出されることが一般的です。

・面接の準備

面接の際、面接官に自己紹介や職務経験を伝えるための資料として使用されます。面接官が応募者の経歴やスキルを把握するのに役立ちます。

・キャリア相談

キャリアアドバイザーや採用担当者との面談や相談の際に、自分の経歴やスキルを示すために使用されることがあります。

・資料としての共有

インターネットやビジネス関連のイベントなどで、自己紹介やビジネス提携の場で職務経歴書を共有することもあります。

職務経歴書と履歴書の違い

履歴書は、基本的な個人情報や学歴、職歴、資格などを簡潔にまとめた文書で、自己紹介や人物像を伝えるために用います。対して職務経歴書は、主に過去の職務経験や具体的な業務内容、実績、スキルに焦点を当てた文書で、仕事に関する詳細な情報を提供します。それぞれ求められる書き方を注視して記載をするようにしましょう。

また履歴書は、主に要約された情報で構成され、簡潔な表記が求められます。

職務経歴書は、各職歴における具体的な業務内容や成果、スキルを詳細に記載し、より具体的な書き方と情報提供が求められます。

これらの違いにより、履歴書は個人の簡潔な概要を提供し、職務経歴書は具体的な業務経験やスキルを詳細に伝えます。就職活動では、両方の文書を適切に活用することが重要です。

■履歴書に書き、職務経歴書に書かなくてもいいこと

履歴書と職務経歴書では、観点が異なるため履歴書には記載するが、職務経歴書には記載をしなくても良い項目もあります。一般的には以下のような情報が履歴書に書かれることがありますが、履歴書には記載の必要がない場合もあります。

・趣味・特技

履歴書では個人の多様性や興味を伝えるために書かれることがありますが、職務経歴書には必須の情報ではありません。

・自己PRや志向

履歴書に短くまとめられる場合がありますが、職務経歴書には職務経験やスキルにフォーカスした記述が求められることが多いです。

・応募動機や目標

履歴書に簡潔に記載されることがありますが、職務経歴書では実績や業務内容が重視されるため、詳細な記述は必須ではありません。

・人物像や特性

履歴書では簡潔に特徴を示すことがある一方、職務経歴書では主に職務経験やスキルに焦点を当てるため、細かな人物像や特性は必ずしも詳細に記載する必要はありません。

履歴書と職務経歴書はそれぞれ異なる役割を持ち、提供する情報も異なるため、必要に応じて適切に情報、書き方を選んで記載することが重要です。

職務経歴書に書くべき項目とは

職務経歴書には応募者の経験や能力を自己アピールや適正評価に効果的に伝える役割があります。様々な項目の中でも、以下の項目を記載することで自分の強みや実績を明確に示すことができ、希望するポジションに選ばれる可能性があるでしょう。

・会社名、期間、ポジション

これは経歴の基本情報です。職務経歴書ではどの会社でどの期間、どのような役職・ポジションを担当したかが把握されなければ、仕事内容やスキルの評価ができません。

・業務内容、成果、貢献

自分が担当した業務内容や、それによって得た成果や会社への貢献が明確に示されていることが重要です。職務経歴書に具体的な事例や数字を挙げることで、自己アピールが強化されます。

・使用したスキルやツール

業務遂行に使用したスキルやツール、職務経歴書で技術などを記載することで、自分の能力や専門知識を強調し、ポジションに対する適性を示すことができます。

・昇進やプロジェクトリーダー経験

昇進やリーダーシップ経験は、自己成長や責任感を示すものです。それがある場合は、職務経歴書に明記することでポジティブな印象を与えます。

・教育、資格、研修

最終学歴や取得した資格、受けた研修などは、自分の専門性や学びの歴史を示すために重要です。求められるスキルや知識を裏付ける情報となります。

これらの項目は、職務経歴書に記載することで、自分の職務経験や能力、スキルを詳細に示し、採用担当者に自己アピールする材料を提供します。

印象的な職務経歴書の書き方

採用担当者は応募者の職務経歴書を見て、その人物が求めるポジションに適しているかどうかを判断します。印象的な職務経歴書の書き方のポイントを抑えることで、効果的に自己アピールすることができるでしょう。

・明確な構成と簡潔な表現

読みやすく、情報が整理されていることが重要です。項目ごとに明確な区切りをつけ、余分な情報を省き、要点を端的に書き方をするように心がけましょう。

・成果や貢献を具体的に示す

数値や具体的な事例を挙げて、自分の業績や貢献を具体的に表現します。例えば、成し遂げたプロジェクトの規模、節約したコスト、達成した目標などを数字や具体的な事例として示す書き方をすることで、印象に残りやすくなります。

・適切なキーワードやスキルを強調

志望する企業に求められるスキルやキーワードを適切に盛り込みましょう。企業やポジションに合わせて、重要なスキルや経験を強調し、アピールポイントとして提示します。

・肯定的な表現を使う

自己PRや職務経験の記述において、ポジティブな表現の書き方をすることで、自信を持って自己アピールできます。達成感や責任感を伝える表現を取り入れると良いでしょう。

・カスタマイズする

応募する企業やポジションに合わせて、職務経歴書をカスタマイズしましょう。その企業や職種に求められるスキルや経験を強調することが重要です。

以上のポイントを意識して職務経歴書を作成すると、採用担当者に印象的な文書を提供できるでしょう。自分の強みや実績を明確に伝えることが、良い印象を与えるポイントになります。

職務経歴書の中で学歴やキャリアをアピールする方法

職務経歴書に学歴を記載する場合、逆編年体形式(最も最近のものから過去のものへ)でリストアップしましょう。大学名、専攻、卒業年月、取得した資格などを含みます。時系列順でも問題ありませんが、最新のものが関連する業界や職種に役立つものであれば効果的です。アピールしたい成績や受賞歴があれば、それらも記載し特に、関連する業界や職種に役立つ賞や特別な成果は強調してください。

職務経歴書でキャリアをアピールする書き方は、職務経験を詳しく記載します。まず各ポジションでの主な業務や成果を箇条書きで示します。そして、それぞれの役割でどのようなスキルや知識を身につけたかを具体的に示すことが重要です。その他以下のポイントをアピールすることでより魅力的な自己アピールができます。

特にこれまでの成果を引き立たせる方法

職務経歴書で採用担当者に応募者の強みを伝えるために以下のような書き方をすると、より効果的に成果を引き立てて伝えることができるでしょう。

・具体的な数値を記載する

実績や成果を強調し、数値や具体的なデータで自分の実績を裏付けることが効果的です。例えば、プロジェクトの成功率、コスト削減、収益増加などを数値で示しましょう。

・使用したツールや技術

使えるツールや技術スキルも重要です。プログラミング言語、ソフトウェア、データベース、プロジェクト管理ツールなどを列挙し、それらを活用した実績も示します。

・STAR法の活用

STAR法は、Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字をとったもので、成果を示すための手法です。具体的な状況や課題、あなたが取った行動、そしてその結果を明確に示すことで、成果を強調します。

・具体的なエピソードや実例を挙げる

成果を際立たせるために、具体的なプロジェクトやタスク、あるいは特定の状況に焦点を当てて説明します。その際に、どのような取り組みをし、その結果どのような影響があったのかを明確に示します。

・強調すべきポイントを前面に

職務経歴書の中で成果を示す際は、最も重要な成果や特筆すべき成功事例を前面に出す書き方をしましょう。特に、求人要件にマッチするような成果を強調することがポイントです。

・言葉選びの重要性

成果をアピールする際には、強い行動動詞や肯定的な表現を使って効果を強調します。例えば、「率先してリーダーシップを発揮し、チームを率いてプロジェクトの成功に導きました」といった表現です。

最も重要なのは、応募者の強みや独自性を明確に伝えることです。経歴書を書く際には、求められるポジションや企業に適した情報を強調する書き方で、自己PRを行うことがポイントです。応募者は選考の段階で興味を持ってもらいやすくなります。

職務経歴書のテンプレートとダウンロードサービス

インターネット上には無料で職務経歴書のテンプレートを提供しているサービスが沢山あります。その中の一部をご紹介します。

・Microsoft Office テンプレート

Microsoft Wordには、職務経歴書のテンプレートが組み込まれています。Wordを開き、新規文書を作成し、「職務経歴書」や「履歴書」を検索すると、さまざまなスタイルのテンプレートが利用できます。

・Canva

Canvaは、デザイン性の高い職務経歴書のテンプレートを提供しています。無料アカウントでも多くのテンプレートを利用できます。カスタマイズも容易で、自分の情報に合わせて編集できます。

・Google ドキュメント

Google ドキュメントにも、多くの無料の履歴書や職務経歴書のテンプレートがあります。Google ドライブから新しいドキュメントを作成し、「履歴書」や「職務経歴書」を検索すると利用できます。

・Behance

Behanceは、クリエイティブな職務経歴書のテンプレートが豊富です。デザイナーやクリエイターによって作成された多彩なスタイルのテンプレートが公開されています。

これらのサービスは無料で利用でき、自分の情報を追加してカスタマイズすることができます。ただし、テンプレートを利用する際には、デザインや書式を選ぶ際に、自分の情報が見やすく伝わるものを選ぶことが重要です。

事務職・ビジネス職向けの職務経歴書

それぞれの業種や職種によって求められるスキルや特性が異なるため、そのポジションに適したスキルや経験を強調することが大切です。

事務職の職務経歴書では、詳細なタスクの記載を強調しましょう。事務職では、具体的なタスクや行政業務、文書管理、データ入力、スケジュール管理などの詳細な内容を記載します。

その他、ITスキルやオフィスツールの記載をすることも効果的です。ワードやエクセル、データベース管理などのオフィスツールやITスキルを強調することが一般的です。

また、事務職では、正確性や細部への注意が重視されるため、これらのスキルや特性をアピールすると良いでしょう。

ビジネス職の職務経歴書では、応募者が前職を通じて得た成果やプロジェクトを強調すると良いでしょう。具体的な成果やプロジェクトの成功に焦点を当てることが重要です。また、リーダーシップやチームワークをアピールすることで統率力やチームでの協力、プロジェクト管理能力を伝えることができるでしょう。ビジネス職では、特にSTAR法(Situation、Task、Action、Result)を活用して、実際のビジネスシナリオや解決策、その結果をストーリーとして伝えることも重要となります。

職務経歴書のフォーマットと項目

職務経歴書には、厳密なルールや正式な書き方があるわけではありません。しかし、一般的には以下のようなフォーマットや記載内容が多く利用されています。

・連絡先情報

氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの連絡先情報を記載します。

・職務経歴の概要

職務経歴書全体の概要を簡潔に記述します。何年間の経験があり、どのようなポジションで働いてきたかを示します。

・学歴

最も最近の学歴から過去のものまで、大学名、専攻、卒業年月、取得した資格などをリストアップします。

・職務経験

最も最近のポジションから過去のものまで、各職務経験について詳細に記述します。

・企業名・ポジション

勤務した企業名と、その中でのポジションを明記します。

・期間

在籍期間を明確に記載します。

・主な業務内容

そのポジションで行った業務や責任を箇条書きで示します。

・成果や実績

数値や具体的なデータを用いて、取り組んだプロジェクトや達成した成果を示します。

・スキル・資格

その他のスキルや資格、言語スキル、コンピュータスキルなどを列挙します。

・趣味・特技 (任意)

趣味や特技を簡潔に記載することで、個性をアピールすることができます。

これらは一般的なガイドラインであり、特定の業界や職種、企業によって求められる内容やフォーマットは異なる場合があります。応募先の要求や求人情報に合わせて適切に調整することが重要です。

転職時の職務経歴書の書き方

転職時、採用担当者は多くの場合、応募者が持つスキルや経験が求められるポジションや職種にマッチしているかどうかを確認するために、職務経歴書を詳細にチェックします。その際に、記載内容の具体性や自己PRの質も影響を与えることがあります。

具体的に以下の点に気を付けて記載することで効果的に伝えることができるでしょう。

・過去の職歴と経験

過去の職歴やそれに伴う経験が、応募したいポジションや職種にどれだけ適しているかが重要です。採用担当者は過去の職歴を通じて、転職前、応募者が持つスキルや業務経験を確認します。

・成果と実績

過去の実績や成果が記載されている箇所にも注目されます。特に、数値や具体的なデータで示された成果は、転職前の候補者の能力や貢献度を評価する上で重要な要素です。

・スキルや特性

職務経歴書に記載されたスキルや特性も重視されます。応募するポジションや職種に必要なスキルやその候補者が持つ特性が、採用担当者にとって重要なポイントになります。

・一貫性と信憑性

職歴の一貫性や記載内容の信憑性も重要です。転職の際の経歴や実績に矛盾がないか、適切な時系列で記載されているかなどを確認します。

・業界や企業の適合性

過去の経験や実績が、応募する企業や業界、職種に適合しているかどうかも注目されます。業界特有の知識や経験は、選考において重要な要素となる場合があります。

職務経歴書の見本とサンプル

前述の通り、職務経歴書には、厳密なルールや正式なフォーマットがあるわけではありません。しかし、一般的には以下のようなフォーマットや記載内容が多く利用されています。それに沿った見本とサンプルのご紹介をします。

見本

タイトル:職務経歴書

日付:20XX年XX月XX日

氏名:山田 太郎

住所・東京都〇〇区〇〇町1-2-3

電話番号:090-1234-5678

メールアドレス:example@example.com

職務経歴の概要:

10年間のIT業界での経験。プロジェクト管理およびソフトウェア開発に特化したエキスパート。

学歴:

大学名:○○大学

専攻:コンピュータサイエンス

卒業年月:20XX年

職務経験:

企業A

ポジション:システムエンジニア

期間:20XX年 – 現在

– システム開発プロジェクトのリードおよび管理

– チームの技術指導とメンタリング

– 新しいソフトウェアの導入により、プロジェクト完了までの期間を25%短縮

企業B

ポジション:プログラマー

期間:20XX年 – 20XX年

– 複数のソフトウェア開発プロジェクトの実装とテスト

– データベースの最適化により、アプリケーションの応答速度を30%向上

スキル・資格

– プロジェクト管理(PMP認定)

– Java、Python、SQLなどのプログラミング言語

– データベース管理(Oracle、MySQL)

– 流暢な英語と日本語

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・職務経歴の概要

職務経歴を分かりやすく端的に伝え、自分の仕事に印象をつける言葉を選んで100文字程度にまとめるようにしましょう。

・学歴

履歴書に記載される場合は重複する情報ですので、必要に応じて記載するようにしましょう。

・職務経験(内容)

業務内容はどんな職種のどのポジションで、どの期間、どんな業務をして、どのような成果を得られたかを具体的に記載します。転職した会社ごと・箇条書きに記載すると分かりやすいでしょう。

・スキル・資格

志望する企業に関連するスキルや資格を持っている場合、記載は必須となります。特にない場合は「特になし」と記載します。また、資格取得に向けて勉強をしている場合「●●の資格取得に向けて勉強中」と記載すると前向きな意思が伝わりアピールに繋がるでしょう。

見やすいレイアウトで、A4サイズで1〜2枚程度にまとめることが重要です。

いずれの項目も、応募する業界、職種に合わせて選定するようにしましょう。

らくだ先生
職務経歴書のポイント
  • とにかく分かりやすくまとめよう!
  • 特に経歴や実績は数字なども用いて具体的に!
  • 誤字脱字の確認は重要なので、Wordなどの機能を使って入念にチェックしよう!

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