「初めての転職で職務経歴書の書き方がわからない」
「2年しか経験ないけど採用担当者に刺さる経歴書を書きたい」
「実際の見本を見ながら、職務経歴書を書きたい」

こんな悩みをお持ちではないでしょうか?

特に転職活動が初めてという方は、職務経歴書に何を書けば良いか悩むことでしょう。

この記事では、職務経歴書の書き方や注意点、採用担当者に好印象を持ってもらうポイントを解説します!

記事の後半では、パターン別の自己PRの書き方も紹介するので、ぜひ参考にして下さい!

看護師の職務経歴書の書き方【4ステップ】

職務経歴書を書く前に、志望先の情報や自身の経歴をまとめておきましょう。いきなり経歴書を書き始めるのはおすすめしません。

ここでは、職務経歴書のおすすめの書き方を4ステップで解説します!

①志望する病院やクリニックについて調べる

せっかく転職という選択をしたのであれば、前職よりも働きやすい環境を選びたいはず!

自分に合った職場を探すためには、まず企業分析から始めましょう。企業分析では「前職よりも働きやすいか」「給与や福利厚生は充実しているのか」など、自分が企業を選ぶ際に重要視しているところを徹底的に調べていきましょう。

実際に働いている方の口コミなどがあれば、そちらも参考にするのがおすすめ。ネットだけでなくSNSや志望する病院の口コミを見てみるのもいいですよ!

例えば病院のホームページからは、以下のような情報が収集できます。

項目詳細
診療科・部門案内内科、外科、眼科など
基本情報理念基本方針病院概要診断実績
採用情報募集中の職種
契約形態
勤務時間
給与・賞与
諸手当
休日臨床
経験年数
福利厚生

また、機会があるのであれば実際に志望する病院やクリニックへ足を運んでみるのもいいかもしれません!

施設内の雰囲気、同僚になる方、交通アクセスなど、実際に働くイメージが湧いてくることでしょう。

②アピール材料になりそうなスキル・経験を書き出す

アピールになるスキルと経験
・20床の病棟で3年間のリーダー経験
・月平均30件の患者さんの退院調整を担当
・オペレーションマニュアルをPCで作成、随時更新
・患者さんの目線に立ち、困りごとがないか注意深く観察していた

次に、自身の看護師としてのキャリアを振り返り、志望先で活かせる経験やスキルを具体的にリストアップしていきましょう!

消化器内科、整形外科などの診療科目はもちろん、患者さんとの向き合い方、リーダーの経験、後進育成の経験、PCスキルの有無など、アピール材料は多岐に渡ります。

具体的な患者対応の事例や、何人のチームで働いていたのか、自分はどのような立ち位置だったのか、数字を交えながら書き出していくのがポイントです。

看護師の経験が浅く、業務経験でアピールできるものがない場合は、「どんなことを意識して働いていたのか」「患者さんとの向き合い方」「現場で評価されたこと・褒められたこと」などを記載しましょう!

③職務経歴書の形式を選ぶ

職務経歴書の形式特徴
編年体形式・過去から現在まで時系列に沿ってまとめる
・一般的な形式であり、どの形式で書くか迷ったら編年体がおすすめ
逆編年体形式・現在から過去まで時系列を遡ってまとめる
・直近のキャリアをアピールしたい方におすすめ
キャリア形式・時系列ではなくプロジェクトごとに記載する形式。
・転職回数の多い方、専門性の高い技術職の方におすすめ

職務経歴書1つとっても、実は3種類の書き方があります。看護師として初めて転職するのであれば、編年体形式がおすすめ!

時系列に沿って記載する形式なので、初めて職務経歴書を書く方でもスムーズに書き始められます。

読み手側も時系列順にどのようなポジションを担当し、どのようなスキルを得たのかわかりやすく、多くの方に好まれる形式です。

ただし、転職回数が多く直近の経歴が埋もれてしまうのが心配な方は、逆編年体形式で記載することも検討しましょう。

④実際に書いてみる

志望先の情報と自身のスキル・経験をまとめたら、実際に職務経歴書を書いてみましょう。

最初に記載すべき情報を整理しておくことで、よりクオリティの高い経歴書を書くことができます!

執筆時は、まず全体の構成を箇条書きでざっと書き出し、その後で各項目を丁寧に肉付けしていく方法がおすすめです。

例えば、「前職での具体的な業務内容」「担当した診療科での成果」「チーム医療での役割」といった項目を先に並べ、そこから詳細を展開していきましょう!

職務経歴書を書く時はここに注意!

ここでは、職務経歴書を書く際に注意したいポイントを4つ解説します。

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  • 履歴書と矛盾しないように記載する
  • 手書きよりもパソコンの方が読みやすい
  • 気になる記載内容は面接で質問される
  • 病院とクリニックでは求められる人物像が違う

履歴書と矛盾しないように記載する

整合性のチェックポイント
  • 在職期間と経験年数が一致している
  • 職務内容が一致している
  • 志望動機の方向性が揃っているか

転職活動における二大書類である履歴書と職務経歴書は、それぞれ異なる役割を持ちながらも、互いに補完し合う重要な応募書類です。

履歴書は基本的な個人情報や職歴を簡潔に示す書類である一方、職務経歴書はそれらの経験をより詳しく掘り下げ、自身の強みやスキルを具体的にアピールするものになります。

特に注意すべきは、2つの書類の整合性です!

例えば、履歴書に記載した在職期間と職務経歴書の経験年数が食い違っていたり、職務内容の説明が大きく異なっていたりすると、信頼性を損なう結果となります。

また、志望動機についても、両書類で一貫した内容となるよう心がけましょう。面接官は必ず両方の書類を照らし合わせて確認するため、慎重なチェックが欠かせません。

手書きよりもパソコンの方が読みやすい

作成方法メリットデメリット
パソコン・誤字脱字をすぐに修正可能
・レイアウト調整が楽
・データが残るので再利用可能
・パソコンスキルをアピールできる
・予測変換によるミスが起きやすい
手書き・意欲や丁寧さをアピールできる・誤字脱字の修正に苦労する

職務経歴書はパソコン・手書きのどちらでも問題ありません。しかし、パソコンで作成した方がより多くのメリットが存在します!

パソコンで作成した方が誤字脱字の修正が容易で、レイアウトの調整も自由自在です。また、作成したデータを保存できるため、次回の転職活動時に再利用できる利点があります。

初めて職務経歴書を作成する方は、記載内容だけでなくレイアウトも迷いがちなので、後から修正・調整がしやすいパソコンで作成するのがおすすめです!

気になる記載内容は面接で質問される

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職務経歴書は単なる書類ではなく、面接で話題になるものです。採用担当者は職務経歴書の内容を基に質問を準備してきます。

例えば、「チーム医療で工夫した点について具体的に教えてください」「月間30件の退院調整を担当されていたとありますが、どのように業務を効率化されていましたか?」といった質問が想定されます。

そのため、記載する内容は具体的なエピソードや数値データを含め、面接でより詳しく説明できるものを選びましょう。

面接官との質疑応答をイメージしながら、説得力のある職務経歴書を作成することを心がけましょう!

病院とクリニックでは求められる人物像が違う

種別求められる資質
病院ストレス耐性、体力、専門性など
┗夜勤による生活リズムの変化に耐えられる方
クリニック即戦力が求められる適応力、観察眼
┗基本的に日勤だが、患者1人当たりの看護師が少なく、幅広い業務をこなす必要がある

病院とクリニックを比較すると、クリニックの方が幅広く業務を担える即戦力を求められる傾向にあります。病院に比べてクリニックは看護師1人の受け持つ患者数が多いからです。

一般的な病院は、患者と看護師の比率は「3:1」が適正とされていますが、クリニック(診療所)は「30:1」が適正とされています。

なんと、クリニックは病院の10倍の患者さんを受け持つ可能性があるのです!

看護師としての経験が浅い場合は、クリニックよりも病院を中心に転職先を選定した方が採用される確率は高くなるでしょう!

看護師の職務経歴書のポイント【記入例あり】

ここからは、看護師の職務経歴書を記載する際のポイントを解説します。

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  • 経歴概略は2〜3行にまとめる
  • 職務経歴は担当業務や学んだことを記載する
  • 保有資格やスキルがあれば箇条書きで簡潔に
  • 興味のある診療科や看護の内容を記載する
画像で見本を入れる

経歴概略は2〜3行にまとめる

経歴概略のサンプル
総合病院で3年間の看護師経験があり、そのうち1年間は救急外来でのリーダーを務めました。現在は整形外科クリニックで外来患者の看護を担当し、予防接種や健康診断業務にも従事しています。

経歴概略は読み手の第一印象を左右する項目なので、読みやすさ重視で書くのが大切です!

経歴戦略が長文になると、採用担当者が読み進める意欲を失ってしまいます。

また、経歴概略は職務経歴書の導入部分として機能するため、後述する詳細な経歴やスキルの概要が把握できる内容にすることが重要です。

2〜3行という限られた文字数の中で、自身のキャリアの核となる部分を抽出し、簡潔に表現することを心がけましょう。

職務経歴は担当業務や学んだことを記載する

項目記入例
勤務した医療機関の正式名称医療法人〇〇会 〇〇総合病院
在籍期間2022年4月〜2024年3月
診療科目や病床規模などの勤務先概要整形外科病棟(20床)に配属
担当した業務創傷処置の介助、注射、採血、点滴など

職務経歴は、看護師としてのキャリアを具体的に示す記入欄です。

担当業務には、「得意のPCスキルを活かして電子カルテシステムの導入プロジェクトに参画し、マニュアル作成を担当」といった特筆すべき経験も含めましょう。

なお、業務内容は時系列順に記載し、重要な成果や習得したスキルも併せて記載することで、より説得力のある職務経歴となります。

転職回数が多い場合は直近2つを記載する

転職回数が多く、全ての職歴を書ききれない場合、直近の2件を目安に記載しましょう。

職務経歴書はA4用紙1〜2枚に収めるように書くのが一般的です。まとまりのない文章は読みづらく、採用担当者からマイナス評価を受ける可能性があります。

保有資格やスキルがあれば箇条書きで簡潔に

※画像挿入

職務経歴書において、保有資格やスキルの記入欄は、あなたの専門性と実務能力を端的に示す重要な部分です。

看護師免許に加えて、感染管理認定看護師(2022年取得)救急看護認定看護師(2023年取得)といった専門資格を記載できると、高い専門性を示す強力なアピールポイントとなります。

これらの資格やスキルは、取得時期や有効期限と共に箇条書きで簡潔に示すことで、採用担当者に分かりやすく伝わります。

興味のある診療科や看護の内容を記載する

志望する診療科や、特に力を入れたい看護分野について具体的に記載することで、キャリアプランが明確な人材であることをアピール可能です。

​​例えば、「がん看護の専門性を高め、緩和ケア認定看護師の資格取得を目指したい」「手術室での経験を活かし、周術期看護のスペシャリストとして成長したい」といった具体的な目標を示すことで、明確なビジョンを持った人材であることを伝えられます。

経歴や志望動機、キャリアプランに一貫性があると、採用担当者の評価がプラスになるため、調査の段階で自分と病院(クリニック)の共通点を探すのがポイントです。

たとえば、志望先が救急医療に力を入れている場合は、「3年間の救急外来での経験を活かし、より高度な救急看護のスキルを習得したい」といった形で関連付けられます。

看護師の自己PRの書き方【例文あり】

自己PRを記載する際は、「①結論」「②エピソード」「③締めの言葉」の3つの構成を意識しましょう!

パターン別に看護師の自己PRの書き方を解説します。

経験を活かした自己PR

看護師の転職において、これまで培ってきた経験は大きなアピールポイントになります。どの程度の期間医療機関で働いていたのか、診療科目や役職を記載し、アピールポイントの裏付けとなるエピソードを伝えましょう。

病院勤務経験者の自己PR

以下の文章は、総合病院で3年間働いた方の自己PRの例です。

私の強みは、患者さんそれぞれの立場になって物事を考えられる点です。3年間の総合病院勤務で、手術後の患者さんのケアから、お年寄りの介護まで、さまざまな看護を経験してきました。患者さんの苦痛を和らげ、少しでも楽になってもらえるよう、丁寧な看護を心がけています。また、質の高い看護を提供するために医師や他の看護師との情報共有を大切にし、チームで支え合いながら仕事を進めてきました。これからも患者さんの立場に立って、優しく温かい看護を提供していきたいと思います。

クリニック勤務経験者の自己PR

以下の文章は、クリニックで3年間経験を積んだ方の自己PRの例です。

私が内科クリニックで3年間勤務してきた中で意識してきたポイントは、患者さんに安心して通院してもらえる環境作りです。
日々の外来診療や予防接種、健康診断など、多岐に渡る業務に携わりましたが、常に笑顔を忘れず見られている意識を持っていました。
待合室での患者さんの体調確認から、診察の補助、採血まで、クリニックでの一連の流れをスムーズに行うことができます。特に高齢の患者さんには、ゆっくり丁寧に説明することを心がけ、安心して通院していただける雰囲気づくりに努めてきました。
貴社においても、前職で培った責任感を活かし、安心して業務を任せていただける人材として努めてまいりたいと考えております。

長所や性格を活かした自己PR

看護師としての経験が浅くても、自身の長所や性格を活かした自己PRが可能です。

以下に2パターン例文を記載します。

体力や精神面のタフさをアピールする場合

以下は、体力や精神面のタフさをアピールする場合の自己PR例です。

私の強みは体力・精神面のタフさです。総合病院で8ヶ月間、病棟看護師として勤務してきました。夜勤を含む不規則な勤務シフトにもしっかりと対応し、体調管理には特に気を配ってきました。まだ経験は浅いですが、忙しい現場でも冷静さを保ち、先輩看護師の指導を素直に受け止めながら着実に成長してきました。体力には自信があり、急な残業にも対応できます。御院でも、この体力と前向きな姿勢を活かし、頑張っていきたいと思います。

コミュニケーション能力をアピールする場合

以下は、コミュニケーションスキルをアピールする場合の自己PR例です。

病棟看護師として1年間勤務してきた中で、意識してきたのは、患者さんの立場に立つことです。
特に入院患者さんとの関わりでは、不安な気持ちに寄り添えるよう、ベッドサイドでしっかりとお話を聞くことを大切にしています。慣れない入院生活の中で「あなたが来てくれて安心した」と言っていただけることもあり、やりがいを感じています。まだ経験は浅いですが、コミュニケーションを通じて信頼される看護師になれるよう、日々学んでいきたいと考えています。

採用担当者の興味を惹く職務経歴書って?

ここからは、採用担当者の興味を惹く職務経歴書のポイントを4つ解説します。

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  • 採用担当者の懸念点を払拭できている
  • 転職回数をポジティブに伝える
  • 一緒に働く姿を想像できる
  • 実際の採用担当が見ているポイント

採用担当者の懸念点を払拭できている

年齢層採用担当者の懸念点
20代短期離職のリスク、成長意欲・キャリア展望の有無
30代ライフスタイルの変化による勤怠の変動
40代新しい職場への適応や若手への指導力

看護師の転職では、年齢によって採用担当者が懸念するポイントが異なってきます。

自身の年齢と照らし合わせ、採用担当者の不安を払拭してあげることで採用担当者の心を掴むことができるでしょう!

また、転職理由については、前向きな成長新しい挑戦を志向する内容を心がけましょう。たとえば「より専門的なスキルを身につけたい」「患者さんにより良い看護を提供したい」といった、明確な目的意識を示すことが効果的です。

最終的には、個々の転職事情や今後のビジョンなど、総合的な要素を踏まえて評価が行われます。自身のキャリアプランに沿った転職であることを、しっかりとアピールしていきましょう。

転職回数をポジティブに伝える

年齢層平均転職回数
20代0.9回
30代2〜3回
40代3回

上記は看護師の平均転職回数を年代ごとにまとめたものです。他業種と比べると看護師は平均転職回数が比較的少ない傾向にあります。

このことを理解しておくことで、採用担当者が感じる「転職が多い」と、自身が思っている「転職が多い」の認識を合わせておくことができます。

もし自身が平均転職回数よりも多かったとしても、そこにキャリアプランや明確な根拠があれば採用担当者は好感を持ってくれる可能性が高いため、不安になることはありません!

一緒に働く姿を想像できる

※画像挿入

職務経歴書では、採用担当者があなたの実務能力と職場での活躍を具体的にイメージできる記載が重要です。

例えば、「10床の救急外来で夜勤リーダーとして勤務し、緊急度判定(トリアージ)を担当。月平均80件の救急搬送に対応」といった具体的な数値を含む実績や、「5人チームのサブリーダーとして新人指導を担当し、3年間で4名の新人看護師の育成に携わる」といった経験を記載します。

具体的な業務実績とその成果を示すことで、採用後すぐに戦力として活躍できる人材であることを印象付けられます。

採用担当者が「この人と一緒に働きたい」と思えるような、説得力のある内容を心がけましょう。

実際の採用担当はここを見てる!

履歴書や職務経歴書を見る際に注目するのは、以下の3点です。

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  • 起承転結が明確か
  • わかりやすい言葉を使っているか
  • 人となり(生い立ち)

内容も重要ですが、読み手に伝わる表現・文章構成も大切なポイント。先に結論を述べて、後から詳細な内容に触れていく形式を意識しましょう。

また、「看護師を志望したきっかけ」「これまでのキャリアで大切にしてきたこと」など、人となりが伝わるエピソードを適度に盛り込めると、採用担当者から評価が高くなります。

参考:尼崎医療生協病院

ネットで職務経歴書を作ってみよう!

職務経歴書は、あなたの看護師としての経験と能力を最大限アピールできる重要な書類です。

オンラインのテンプレートを活用しながら、自身の経験を丁寧に整理し、志望先に合わせた効果的な職務経歴書を作成していきましょう。

一度作成したら、信頼できる先輩看護師や転職エージェントにチェックしてもらうことをおすすめします。

らくだ先生
看護師の職務経歴書の書き方まとめ
  • 志望する病院やクリニックに合わせた内容にしよう!
  • 強みとなる経験を把握しておこう!
  • キャリアプランの伝わる内容が高評価を得やすい

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