この記事ではWebマーケティング職向けの職務経歴書の書き方を、見本とあわせて解説します。また、採用担当者が見ているポイントや、実績に自信がない方におすすめの書き方も紹介しています。
自分の強みに合った書き方を理解すれば、選考を有利に進められます。アピールしたい経験ごとの自己PR例文も参考に、職務経歴書を仕上げましょう。
Webマーケティング職の職務経歴書の書き方【記入例あり】

自分の経験を書き出す
- Googleアナリティクスを活用したサイト分析
- Googleのリスティング広告の運用
- 自社メディアのコンテンツ企画
- SEO対策の改善
- 自社SNSの運用
- ECサイトの商品ページ作成
職務経歴書を書く準備として、これまでの経験をリストアップしましょう。プロジェクトの経験だけでなく、細かな日常業務まで書き出して確認することが重要です。
Webマーケターは業務範囲が広いですが、経験の書き漏らしがあるとスキル不足を疑われます。細かな業務もWebマーケティングには欠かせないため、経験を一度振り返っておきましょう。
Webマーケティングに役立つ保有資格を確認する
- マーケティング・ビジネス実務検定
- データ解析士
- SEO検定
- Google アナリティクス個人認定資格
Webマーケティングでは、データ分析系の資格や、Web・SEO系の資格が役立ちます。その他にも、汎用性のあるビジネス資格があれば基礎力の高さを証明できます。
Webマーケティングに関連する資格がない場合は、業務経験の記入量を増やしたりするカバー方法が有効です。
企業のマーケティング戦略に合わせる
マーケティング戦略 | 有効なアピールの例 |
BtoB製品のブログマーケティング | SEO記事の作成でPV数を改善 |
アパレルブランドのSNS運用 | SNS運用でエンゲージメントやフォロワー数を増加 |
インフルエンサーの起用 | インフルエンサーの選定を担当 |
マーケティング戦略は企業によって様々であり、そのすべてを把握することはできません。しかし、主要事業や、その企業名を目にしやすいメディアの種類から、大まかな方針を掴むことはできます。
企業のマーケティング戦略と関連する経験をアピールポイントにすることで、高い評価を得やすくなります。
例えば、SNSでブランド戦略を行っているアパレル企業であれば、SNS運用の経験が強みになります。一方、企業ブログを頻繁に更新しているようであれば、SEO系の業務経験が役立つでしょう。
各項目の正しい情報を確認しながら書き始める
職務経歴書を書くための情報を整理したら、内容に間違いがないかを確認しながら記入を始めます。
特に、勤務期間・会社名・資格名は間違えやすい項目です。故意のミスでなくとも、経歴詐称と判断されるリスクがあるため、うろ覚えでは書かないようにしましょう。
企業のホームページや合格通知の書類を確認しながら記入すると、ミスを大幅に減らせます。

PC・スマホで作成するのがおすすめ
職務経歴書は、PCやスマホで作成するのが一般的です。手書きよりも効率的に作れるため、他の就職活動に時間を割けるようになります。
らくらく履歴書はPCとスマホに対応した、履歴書・職務経歴書の無料作成サービスです。必要事項を順に入力していくだけで、整ったフォーマットの応募書類をダウンロードできます。
悩みがちな自己PRも例文を自動で生成してくれるため、参考にしながら作ることができるでしょう。簡単に職務経歴書を作成したい方には、らくらく履歴書の利用がおすすめです。
Webマーケティング職の職務経歴書のポイント
職務要約は簡潔にまとめる
職務要約は職務経歴書の導入で、内容を端的に表すための項目です。そのため、ここに自身の強みや意気込みなどを含めるのは不適切となります。
内容としては、企業名や年月、担当業務の例や磨いたスキルを簡潔に記載しましょう。文字数は200字程度を目安として、長くとも300字までに収めます。
複数の職歴がある場合は業務内容を短くし、逆にひとつの職歴しかない場合は業務内容を多めに書くなどの工夫が可能です。短すぎても印象が薄くなってしまうため、過度にまとめてしまわないようにしましょう。
職務経歴には業務経験と学んだスキルをできるだけ記載する
職務経歴の記入例
- Google AdsおよびFacebook Adsを活用し、ターゲティングと予算配分を最適化。キャンペーンのCTRを15%向上させ、広告費用対効果(ROI)を20%改善。
- サイトのコンテンツ分析を行い、競合調査に基づいたSEO施策を実行。オーガニック検索トラフィックを25%増加させ、主要キーワードでの検索順位を3位から1位に向上させる。
- Google Analyticsや各広告プラットフォームを使用してデータを収集・分析。広告運用の効果を定量的に評価し、キャンペーンの最適化を実施。月次レポートでデータに基づいた戦略提案を行い、チームの意思決定をサポート。
- 業務フローを見直し、情報共有ツールを導入。チーム内のコミュニケーションが円滑になり、プロジェクト納期を平均1週間短縮。
- 記事作成やブログ投稿、ランディングページの制作に関与。SEOを意識したコンテンツ作成を行い、サイト訪問者数の増加に貢献。
職務経歴は、企業の正式名称と期間から書き始めます。「株式会社」の抜けや、就業期間の勘違いがないように注意しましょう。
その後、それぞれの企業で経験した業務や、培ったスキルなどを書いていきます。書き方に明確な決まりはありませんが、一般的には「部署や役職」「担当業務の一覧」「実績」にスペースを多く取ります。
文章で羅列するとわかりにくい場合には箇条書きを用いるなど、読みやすさも重視して書き方を考えましょう。
自己PRではWebマーケターとしてのキャリアの目標を述べる
職務経歴書の自己PRは、職務経歴に書いた内容を踏まえ、300字程度でまとめて記載します。履歴書の自己PRよりも、具体性のあるアピールがしやすいことが特徴です。
ただし、自己PRに書く内容には「これまでの経験」だけでなく、「これからの意向」も必要となります。中でも、企業が重視するキャリア志向やその企業での目標は必ず記載するようにしましょう。
経験をもとにした能力のアピールと、将来に対する意気込みのアピールをバランスよく取り入れることが重要です。
全体で履歴書と矛盾した内容がないか確認する
- 自己PRの内容のズレ
- 資格と免許の記入漏れ
- 職歴の不一致
履歴書と職務経歴書は、どちらから書き始めても問題ありません。しかし、それぞれの内容に矛盾があると、信頼性が損なわれてしまいます。
特に注意したいのは、「自己PR」「資格・免許」「学歴・職歴」の項目です。履歴書も職務経歴書も同様の内容を記載しますが、内容が異なっていると、どちらの記載内容が正しいのか判断できません。
先に完成させた書類と見比べ、情報の矛盾や過不足がないかを確かめながら、もう片方の書類を仕上げるようにしましょう。
採用担当者がWebマーケティング職の職務経歴書で知りたいこと
現在持っているスキル
- Google アナリティクスを用いたアクセス解析
- SEOを意識したコンテンツ作成
- 広告キャンペーンの企画・運用
- 広告バナーのABテスト
- ECサイトの運営
採用担当者は応募者が持っているスキルを詳細に知りたいと考えています。そのため、重要度が低いと思ったスキルでも記入するようにしましょう。
職務経歴書では、実績や自信のあるスキルだけでなく、基礎的なスキルまで記載することが重要です。当たり前だと感じているスキルも全て記載しておくことで、採用担当者との認識のずれを減らすことができます。
自社に通じる業務経験があるか
Webマーケターは、同じポジションでも企業によって細かな業務内容が異なります。そのため、応募する企業の業務と共通した業務経験が多ければ、戦力として高い期待を与えられます。
また、全く同じ業務でなくとも、作業内容や必要な知識に共通点があれば、十分なアピールになります。
ただし、応募先の細かい業務内容を事前に把握することは困難です。少しでも共通点を見つけてもらうためには、なるべく多くの業務経験を書き出しておく必要があります。
自分なりのキャリアプランを持っているか
- 専門性を深める
- リーダーとしての立場を目指す
- 新しいアイデアを追及する
- 広い分野でスキルを磨く
職務経歴書では、その人の考えるキャリアプランや、仕事に対する向き合い方を伝えることができます。キャリアプランと企業の働き方にミスマッチがあると、早期退職にも繋がるため、採用担当者は必ず把握しておきたいと考えています。
しかし、経歴からキャリア志向を正確に伝えるのは、転職回数が多い場合でなければ難しいでしょう。そのため、自己PRでの意気込みとして、キャリア志向を取り上げることがおすすめです。
自己PRの締めとして、その企業での目標や、仕事にどのように向き合っていきたいかを述べることで、自然にキャリア志向を伝えることができます。
自社の勤務形態に対応できるかどうか
- 出勤とリモートワークの併用
- フレックスタイム制度
- 完全週休2日制
- 副業可能
企業の勤務形態には、リモートワークの有無や勤務時間・残業・転勤など、細かな違いがあります。
これまでに自社と異なる勤務形態で働いてきた人は、まず「自社の勤務形態でもパフォーマンスを落とさずに働けるか」という点が問われることになるでしょう。
勤務形態の違いに対応できることを示すためには、応募する企業と似た環境で業務に携わった経験を取り上げることが有効です。
マーケティングの知識とWebの知識を兼ね備えているか
- SEOとWeb制作の基礎
- AI活用の知識
- 各種SNSや配信サービスの特徴
- ユーザー心理についての知見
Webマーケターは、通常のマーケティングの知識以外にも、Webについての幅広い知識が求められます。様々なWebコンテンツを知っていれば、より的確な提案が可能になるためです。
しかし、Webの知識をアピールするためには工夫が必要です。自己PRで取り上げたとしても、単なる趣味として受け止められる可能性があります。
そこで、今までにWeb知識を活かした業務の経験などがあれば、職務経歴書に記載するといいでしょう。業務内容から、知識の広さを裏付けることができます。
Webマーケターとしての実績に自信が無い場合はどうすればいい?
チームの実績に対して果たした役割を述べる
「キャンペーンのパフォーマンスデータ分析をサポート。分析結果を基にチームで広告予算の最適化を行い、ROI(投資利益率)が30%向上。」
「自分の担当外のプロジェクトで、チームのディスカッションに参加し、新しいマーケティング戦略を提案することで、オンライン売上の向上に貢献。」
チームに対してどのような貢献をして結果に繋げたのかを記載することで、役割を全うする姿勢を伝えられます。
マーケティングの実績の多くは、チームの成果です。自分の役割を記載しなければ、採用担当者に自分の貢献度をアピールすることができません。
業績以外の成果を取り上げる
「チームの作業フローを見直し、プロジェクト管理ツールを導入。タスクの進行状況をリアルタイムで確認できるようになり、チームの生産性向上に貢献。」
「データ分析の効率化のため、新しい解析ツールを導入し、レポート作成時間を30%短縮。」
社内で作業効率化や手法の見直しを行った経験も、同様に実績として扱うことができます。業績でなくとも、会社へ貢献した成果があればアピールになるでしょう。
ただし、業績と比べて、社内の取り組みの成果は数値で表しにくいこともあります。その場合は、取り組み内容を詳細に書き、誰が見ても有用だと感じられるようにすると効果的です。
最新トレンドへの理解力をアピールする
- AIの活用
- ショート動画
- インフルエンサーマーケティング
- VR・AR技術
Webマーケティングの業界は頻繁にトレンドが変わるため、流行しているものへの高いアンテナが求められます。最新トレンドに合った施策を行った経験があれば、自身の高いアンテナを示すことができるでしょう。
特に、技術やマーケティング手法のトレンドの変化は、後になって振り返ることで評価を下しやすいです。近年注目され始めたAI技術やインフルエンサーマーケティングなどに、どれだけ早くから着眼していたかを示しましょう。
その他にも、映像作品や楽曲といったコンテンツ単位のトレンドへの対応力が、SNSや動画配信などの分野では重要視されます。
仕事への姿勢や熱意も採用担当者は見ている
どんな仕事も、最終的には人同士のやり取りになる以上、応募者の人柄も重要な判断材料になります。能力をアピールしようと実績だけを取り上げていると、肝心の性格が伝わりません。
仕事への熱意は、主に自己PRに組み込むことができます。特に、自己PRの締めとなる「今後の意気込み」の部分での自己表現が重要です。定型的な表現でなく、自分自身の意欲的な言葉を述べましょう。
仮に実績が少ない場合でも、多くの企業は意欲のある応募者を歓迎します。
【経験別】Webマーケティング経験者の自己PR例文
Webコンテンツ企画の経験をアピールする自己PR
私は、ユーザーのインサイトを深く分析し、価値のあるWebコンテンツを企画・制作するスキルを強みとしています。過去には、自社メディアの記事企画・ライティングを担当し、ターゲット層の検索ニーズを基にコンテンツ設計を実施。競合分析を行い、CV(コンバージョン)率を120%向上させた実績があります。今後は、コンテンツマーケティングの戦略立案から実行までを担い、ブランドの認知拡大と収益向上に貢献できるプロフェッショナルを目指しています。また、データを活用したPDCA運用を強化し、より効果的なコンテンツ施策を推進していきたいと考えています。(300字以内)
Webコンテンツの企画・運用は多くのWebマーケターが経験する業務であるため、差別化が重要なテーマです。業務内容か実績に特徴を持たせることが必要となります。
この例文では、自身の担当した業務の範囲や数値的な実績を表せています。一方で、業務内容の説明が端的にまとまりすぎているため、説明を追加しても良いでしょう。
Web広告運用の経験をアピールする自己PR
私は、Web広告の運用最適化を通じて、費用対効果を最大化するスキルを強みとしています。Google広告・Facebook広告の運用経験があり、クリエイティブのABテストを実施することでCTRを30%改善。また、LPの最適化にも取り組み、CPA(顧客獲得単価)を25%削減した実績があります。今後は、より戦略的な広告運用に携わり、市場動向を捉えたデータドリブンなマーケティングを実践していきたいと考えています。将来的には、広告運用だけでなく、マーケティング全体の戦略設計や予算管理まで担えるマーケターを目指します。(300字以内)
Web広告は種類によって内容や求められるスキルが異なります。そのため、どんな広告を運用した経験があるのかを明記することが重要です。
例文では出稿した広告の種類を述べつつ、改善策や結果を明確にしています。具体的な数値も交えており、高評価を得やすい内容となっています。
施策内容に独自性がある場合は、応募企業でも活かせるように表記することで、より印象的な自己PRに仕上がります。
データ収集・分析の経験をアピールする自己PR
私は、GoogleアナリティクスやBIツールを活用し、データを基に施策の効果を最大化する分析力を強みとしています。過去には、Webサイトのアクセス解析を行い、ユーザーの行動データを可視化。離脱率の高いページを特定し、改善施策を実施した結果、直帰率を20%改善し、CVRを30%向上させました。また、広告運用データの分析から予算配分を最適化し、CPA(顧客獲得単価)を30%削減。今後は、データ分析を軸に、マーケティング戦略の立案や事業成長の支援を行うポジションを目指します。将来的には、データ活用を武器に、意思決定を支援するマーケティングリーダーとして活躍したいと考えています。(300字以内)
データ分析は根気強く行わなければならない地道な業務です。マーケティングには必要不可欠な業務でもあるため、あらゆる企業で役立ちます。
ただし、データ分析自体が成果に繋がることはほとんどありません。そのため、実績としては「データ分析をもとに進めた業務の成果」を用いることになるでしょう。
例文では、分析内容と施策をセットで紹介しています。このように記載することで、データ分析が成果に繋がっていることを明確にできます。
SEO改善の経験をアピールする自己PR
私は、SEO施策を通じて、オーガニック流入を増加させる計画力・実行力を強みとしています。過去には、検索クエリ分析を基に記事リライトを実施し、特定キーワードの検索順位を30位から3位まで改善。また、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を強化する施策を行い、オーガニック流入を150%に増加させた実績があります。この経験を活かし、貴社のSEO改善に貢献していく所存です。さらに、今後はSEOと他のマーケティング施策を統合し、長期的に価値を生み出すデジタルマーケティングの専門家になりたいと考えています。(300字以内)
SEO改善は専門性が必要な業務であるため、経験がある人材は重宝されやすいです。特に、応募先企業がSEO関連の施策を行っている場合には有効な自己PRのテーマとなるでしょう。
例文では、取り組みと結果を端的にまとめ、成果に重点を置いた書き方をしています。さらに、他の領域での長期的な活躍を目指す姿勢を明記している点も好印象です。
SNS運用の経験をアピールする自己PR
私は、SNSを活用したブランド認知向上・エンゲージメント強化の経験があり、自分自身の強みであると考えています。過去には、Instagram・Twitter(X)の運用を担当し、ターゲット層に最適なコンテンツを企画・発信。特に、ハッシュタグの最適化やUGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用を推進し、自社SNSアカウントのフォロワー数を半年で200%増加させました。また、インフルエンサーマーケティングを導入し、投稿のエンゲージメント率を3倍に向上。今後は、SNS運用だけでなく、デジタルマーケティング全体の戦略設計にも携わりたいと考えています。貴社では、SNSを軸としたブランド戦略に貢献し、企業の成長を支えるマーケティングリーダーを目指します。(350字以内)
SNS運用は近年になって注目度が高まった業務であり、ノウハウを確立できている企業は多くありません。より多くの視点や経験を取り入れるために、経験者は歓迎されやすい分野です。
SNS運用の経験を自己PRで取り上げる場合、まずは取り扱ったSNSの種類を明記しましょう。企業の持つSNSアカウントと同じものがあれば、より効果的なアピールとなります。
さらに、例文のように各SNSで取った方針や施策を述べると、経験の深さが伝わりやすくなります。
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職種に合ったテンプレートを選び、これまでの経歴を入力していくだけで職務経歴書が完成します。入力内容を保存しておけるため、隙間時間で少しずつ作成していくことも可能です。
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- 経験業務はなるべく多く書こう!
- チームの実績に貢献したこともアピールできる!
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職務要約の記入例
〇〇株式会社でWeb広告運用、SEO改善、コンテンツマーケティング、データ分析の業務を3年間担当。特に、Google AdsやFacebook Adsを使用した広告運用において、予算配分とターゲティングの最適化を行い、CTRの向上やROIの最大化に貢献しました。SEO施策では、競合分析とコンテンツ改善を通じて、検索エンジン順位の向上に成功し、オーガニックトラフィックを25%増加させました。(200字以内)