履歴書の学歴欄は重要な項目
履歴書の学歴欄は応募者の教育経歴を企業に示す項目です。応募者が「いつ」「どこで」「どのような教育を受けていたのか」を記載することが基本となります。
履歴書の学歴欄の重要なポイントとして、履歴書は公的な文書であるため正確な情報の記載が必須となります。学歴欄は特に重要で、応募者の教育経歴や資格を示す場であり、採用担当者が応募者の能力や適性を判断する上で重要な情報源となります。記入方法や書き方のポイントを押さえて、応募する企業に自身の情報を間違いなく伝えましょう。
履歴書における学歴の役割
前述した通り、履歴書の学歴・職歴欄は採用担当者が応募者の学歴や資格が職務に適しているかどうかを見極めるための項目です。教育背景や取得した資格は、応募者のスキルや専門知識を示す一つの指標となります。
そのため、履歴書の学歴欄は応募者の情報を正確に示すものであると同時に、応募者の能力や適性を企業にアピールするための重要な部分でもあります。募集要項や職種をしっかりと把握し、履歴書を提出する企業に自分の魅力をしっかりと伝えましょう。
学歴欄が採用に与える影響
履歴書の学歴欄が選考に与える影響は様々です。有名な大学を卒業しているとインパクトはありますが、それよりも応募企業と関連のある専攻を修了していたり、留学経験があったりする場合は、効果的なアピールが行えます。
重要なのは高学歴かどうかではなく、その応募先で活かせる経歴かどうかです。関連する学歴があれば、強調して表現すると良いでしょう。
履歴書の学歴はいつからの分を記入する?
学歴はいつから書くべきという厳密なルールはありませんが、新卒の場合は、義務教育の卒業時である「中学校卒業」から記述することが一般的です。
また、転職で職歴が多い場合は中学校や高校までの学歴は省くなどの工夫も可能です。ただし、どの場合でも最終学歴は必ず記載するようにしましょう。
履歴書の学歴の書き方
「学歴」と明記して記載する
学歴欄には、まず1行目の中央に「学歴」と明確に記入し、2行目以降に入学・卒業(修了)の経歴を古い順に記載します。
履歴書のフォーマットで既に「学歴」という記載がある場合は記入する必要はありませんが、「学歴・職歴」といった記載の場合は改めて記入する必要があります。
学校名は正式名称で記載する
履歴書は公的な文書であり、採用担当者は履歴書の内容をもとに募集要項に適した人材かどうかを判断します。その判断材料となる学校名は間違いなく正式名称で記載するようにしましょう。
特に、大学名には学科やコースなども必ず含め、自身の専攻が伝わりやすいように表記します。企業と関連のある専攻の場合、選考で大きく有利になる可能性があります。
自分では略称で慣れ親しんでいる学校名でも、採用担当者からすれば初めて見る名前になります。正確に伝わるよう、学校のWebサイトなどで正式名称を確認しておきましょう。
西暦・和暦は統一する
年月の記入では和暦か西暦かを統一するようにします。ここでは生年月日や記入日といった、履歴書の他の項目での表記に合わせて記載しましょう。
統一できていれば西暦と和暦に印象の違いはありませんが、経歴に年号を跨いでいる部分がある場合などは西暦に統一するなど、なるべく見やすさを重視して選択すると良いでしょう。
新卒は「卒業見込み」と記入
新卒の就活の場合、「在学中」という表現は使わずに「卒業見込み」と記載しましょう。これにより、卒業するのに必要な単位取得の目途が立っていることを示すことができます。反対に、卒業条件を満たす見込みがない場合は使わないようにしましょう。
履歴書の学歴・職歴欄の記入例
新卒採用の場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
20●● | 3 | ●●県●●市立●●中学校 卒業 |
20●● | 4 | 東京都立●●高等学校●●科 入学 |
20●● | 3 | 東京都立●●高等学校●●科 卒業 |
20●● | 4 | ●●大学●●学部●●学科●●コース 入学 |
20●● | 3 | ●●大学●●学部●●学科●●コース 卒業見込み |
職歴 | ||
なし | ||
以上 |
中学校の卒業から、在学中の大学を卒業見込みであることまでを記載している例です。
新卒の場合、基本的に職歴として書くことは無いですが、その場合も「なし」という表記が必要です。書くことが何も無いからといって、「職歴」という項目を設けていないと、未完成で提出したような印象を与えかねません。
新卒は職歴に必要なスペースが少ない分、大学の専攻について少し詳細に書く余裕があります。もし自身の専攻を押し出してアピールしたい場合、説明を付け加えたりしても良いでしょう。
転職・中途採用の場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
20●● | 3 | 東京都立●●高等学校●●科 卒業 |
20●● | 4 | ●●大学●●学部●●学科●●コース 入学 |
20●● | 3 | ●●大学●●学部●●学科●●コース 卒業 |
職歴 | ||
20●● | 4 | 株式会社●●●● 入社 |
東京支社 営業部 通信販売課 | ||
オンラインショップの企画運営を担当 | ||
20●● | 3 | 一身上の都合により退職 |
20●● | 4 | 株式会社●●●● 入社 |
本社 営業部 営業1課 | ||
新規顧客開拓を担当 | ||
現在に至る | ||
以上 |
転職や中途採用で一定量の職歴がある場合は、この記入例のように学歴はある程度まで省いて記載しましょう。ただし、前述の通り最終学歴だけは必ず書きます。
既に職歴があるため、学歴の内容は大きなアピールポイントにはなりにくい傾向にあります。自身の職歴で特に強調したい部分や、詳細を書いておきたい部分などにスペースを割くことが効果的でしょう。
【場合別】履歴書の学歴に書く内容
履歴書の学歴欄に記載する内容には、自身の状況によってそれぞれ意識しておきたいポイントがあります。通常の「学部卒業見込み」以外の場合における、学歴を書く時のポイントをチェックしておきましょう。
大学院を修了している場合
大学院を修了している場合、学歴は大学入学または、高校卒業から記入しましょう。大学院は修士課程と博士課程があるのでそれぞれの入学・修了年次の記載を分けます。
なお、大学院は「修了」「修了見込み」と書きます。書き間違いに注意しましょう。博士課程を修了したが、博士号の学位を取得していない場合は「単位取得退学」と記載しましょう。
予備校や中退についての記載
履歴書において大学受験や資格取得のための予備校に関する情報は、通常は含まれません。
中途退学の場合は、「中退」ではなく、「20●●年×月 ●●大学□□学部○○学科 中途退学」と具体的に記載します。加えて、「◯◯◯◯により中途退学」といった理由を添えて記入することもできます。
休学をした場合や浪人・留年について
履歴書の学歴欄には休学の理由を書く必要があります。休学の事実を隠してしまうと学歴詐称とみなされ選考が不利になってしまう可能性があります。採用担当者に正確な情報を伝えられるように、休学の理由は必ず明記するようにしましょう。
また、留年や浪人をした場合、学歴欄にその理由をあえて書く必要はありません。なお、健康上の理由や家庭の事情他やむを得ない状況での休学・留年・浪人をした場合は備考欄に説明をしましょう。誤解が生じずに選考をしてもらえるでしょう。
履歴書の学歴欄を書く時の注意点
年号・西暦早見表を活用して記入ミスを防ぐ
学歴では、入学年や卒業年の誤表記が頻繁に発生します。採用担当者に混乱や不信感を与えないためには、年号・西暦早見表を確認しながら記入するのがおすすめです。
以下は、近年までの年号・西暦早見表です。浪人や留年された場合は、適宜ずらして記載する必要があるので、ご注意ください。
西暦(年) | 平成 | 令和 |
1989年 | 元年 | – |
1990年 | 2年 | – |
1991年 | 3年 | – |
1992年 | 4年 | – |
1993年 | 5年 | – |
1994年 | 6年 | – |
1995年 | 7年 | – |
1996年 | 8年 | – |
1997年 | 9年 | – |
1998年 | 10年 | – |
1999年 | 11年 | – |
2000年 | 12年 | – |
2001年 | 13年 | – |
2002年 | 14年 | – |
2003年 | 15年 | – |
2004年 | 16年 | – |
2005年 | 17年 | – |
2006年 | 18年 | – |
2007年 | 19年 | – |
2008年 | 20年 | – |
2009年 | 21年 | – |
2010年 | 22年 | – |
2011年 | 23年 | – |
2012年 | 24年 | – |
2013年 | 25年 | – |
2014年 | 26年 | – |
2015年 | 27年 | – |
2016年 | 28年 | – |
2017年 | 29年 | – |
2018年 | 30年 | – |
2019年4月30日 | 31年 | – |
2019年5月1日以降 | – | 元年 |
2020年 | – | 2年 |
2021年 | – | 3年 |
2022年 | – | 4年 |
2023年 | – | 5年 |
2024年 | – | 6年 |
2025年 | – | 7年 |
2026年 | – | 8年 |
2027年 | – | 9年 |
2028年 | – | 10年 |
2029年 | – | 11年 |
2030年 | – | 12年 |
2031年 | – | 13年 |
2032年 | – | 14年 |
2033年 | – | 15年 |
2034年 | – | 16年 |
2035年 | – | 17年 |
2036年 | – | 18年 |
2037年 | – | 19年 |
2038年 | – | 20年 |
2039年 | – | 21年 |
2040年 | – | 22年 |
応募企業に合わせて表記を変える
学歴欄には基本的には学校名・学部名・学科名、入学年月・卒業年月の記載が主流ですが、応募職種に活かせる専攻や研究テーマがあれば詳細に記載するようにしましょう。
特に研究や開発、法務、コンサルタントなど専門性が求められる職種では、大いに役立つ可能性があります。
逆に、関連性の薄い職種への応募で学歴欄を過度に細かく書いても効果は見込めません。応募する企業の業種に合わせて、学歴の表記をカスタマイズするようにしましょう。
学歴詐称は絶対にNG
自分を少しでも良く見せたいからといって、虚偽の学歴を記載することは絶対にやめましょう。全ての応募者の学歴の真偽を確かめる企業はほとんどありませんが、実際に内定を出すにあたって経歴の調査を行ったり、証明書類の提出を求める企業は存在します。
また、入社後もちょっとしたことがきっかけで、学歴の詐称が発覚する可能性もあるでしょう。採用時には騙し通せたとしても、その企業で働き続ける限り、そうした嘘をつき続ける必要があります。
堂々と働き続けるためにも、ありのままの学歴を記載して提出するようにしましょう。
履歴書の学歴欄は正しい記入方法を理解しよう
履歴書における学歴欄の適切な記載方法について解説しました。学歴をいつから記述すべきか悩む場合は、一般的に中学卒業から書き始めるのが良いでしょう。
また、学歴の記載内容は職歴の記入量に応じて変更できます。特に、職歴欄を多く使いたい場合や転職経験が豊富な場合には、学歴欄の工夫が求められます。様々な状況に合わせて記入内容を選択してみてください。
簡潔で読みやすい履歴書を作成するにはルールの確認と下準備が欠かせません。書き終えた後には添削サービスを利用するなどして、ミスのない履歴書を作ることを心がけましょう。
- 新卒の場合は中学卒業から書くのが一般的
- 転職の場合は学歴を省くのも可能
- 正式名称や年月日の間違いに注意