職務経歴書は応募する企業に適した形で提出します。手書きとパソコンのどちらでも効果が変わらないなら、パソコンを選ぶと良いでしょう。パソコンでの作成には効率や利便性に大きなアドバンテージがあります。

本記事では職務経歴書をパソコンで作成するメリットを詳述した上で、パソコンでの職務経歴書の作成方法を一つひとつ解説します。アピール力の高い構成や作成時の注意点が端的に掴めるでしょう。しっかりと内容を伝え、魅力を訴求する職務経歴書を一から自作できます。パソコンがない場合の対処方法にも言及しますので、作成の参考にしてください。

目次
  1. 職務経歴書の作成は手書きでもパソコンでもOK
  2. 職務経歴書をパソコンで作成する6つのメリット
  3. パソコンでの職務経歴書の作り方
  4. 職務経歴書をパソコンで自作する際のポイント
  5. 職務経歴書をパソコンで自作する際の基本構成
  6. パソコンで作成した職務経歴書の例
  7. パソコンがない場合の職務経歴書の作り方
  8. 職務経歴書を手書きで作成するメリットもある
  9. 応募する企業に適した方法で職務経歴書を作成しよう

職務経歴書の作成は手書きでもパソコンでもOK

職務経歴書は企業から指定されない限り、どのように作成しても構いません。手書きやパソコンはもちろん、ネットで提供されるスマホアプリも利用できます。読み手に職歴が簡潔に伝われば、記載する項目や構成も問われません。

手書きかパソコンで迷ったら、「アピール力」を軸に判断します。例えばPCスキルを問われる仕事には、パソコンを利用するのが適切です。逆に几帳面さや丁寧さが必要な仕事なら、手書きが良いでしょう。応募する企業にアピールしやすい手段を選ぶことで、書類形式も選考の武器になり得ます。

ただし手書きを選択した場合は、「読みやすさ」「効率性」の2点に留意しなければなりません。少しでも読みづらさを感じたり、時間がかかりすぎるなら、パソコンを選ぶ方が賢明です。

職務経歴書をパソコンで作成する6つのメリット

情報量が多くてもミスを気にする必要がない

職務経歴書をパソコンで作成すると、ミスを気にする必要がありません。何度でも校正を加えながらより良い書類に仕上げられます。

手書きの場合、鉛筆で丁寧に下書きをし、ミスのないようになぞる作業が必要です。一度でも失敗すると、新しい紙に書き直さなければなりません。書くべき内容が多い人ほど、パソコンの利便性を実感できるでしょう。

流用が効くため時間短縮になる

パソコンで作った職務経歴書はデータを保存できます。応募先ごとに一から書く必要はありません。手書きと比べ大幅な時間短縮になり、内容を熟考する時間に充てられます。

職務経歴書に書くべき内容は大まかに決まっています。応募する企業に応じて変える部分は、経歴を書く順番(編年体・逆編年体など)と、転職先で活かせる経験・知識の記述です。データがあれば小変更で対応できるため、効率的に転職活動を進められます。

文章を手直ししてアピール力を高めやすい

パソコンなら文章の手直しも容易です。アピール力を高めるには、常に「より伝わる文章」を目指し校正を続ける必要があります。

特に面接で内容に突っ込まれたときや、書類審査で落ちた場合には、「説明不足の部分」「アピール力が弱い部分」を見つけ修正しなければなりません。その際、パソコンなら何度修正しても大きな負担になりません。

字に癖がなく読みやすい

パソコンで作成した書類は、「字のせいで読みづらい」といった事態は起こり得ません。行間や改行に気をつけていれば、誰でも一様に読みやすい書類を作成できます。

職務経歴書は履歴書と比べ長いため、字に癖があると読みづらさを強く感じます。パソコン作成なら字に起因する問題を防ぐことができ、最後まで読んでもらいやすくなります。

パソコンスキルの証明になる

職務経歴書は、通常Microsoft WordやExcelなどのビジネスソフトで作成します。これらのソフトは、多くの仕事で日常的に使用されます。職務経歴書をパソコンで作ることで、日常業務を円滑にこなすスキルを証明できます。特にWordやExcelを頻繁に使う事務系の仕事では、大きなアピールになるでしょう。

メールで提出しやすい

職務経歴書はPDFファイルに変換し、メールで企業に送信するのが通例です。WordやExcelで作成した書類なら、ワンクリックでPDFに変換可能です。企業への送信に余計な手間がかかりません。

手書きの場合、スキャンをしてパソコンに取り込む作業が生じます。スキャンする環境がない場合は、コンビニまで出向かなければならず、かかる手間と時間が大違いです。

パソコンでの職務経歴書の作り方

転職サイトのテンプレートをダウンロードする

職務経歴書をパソコンで作る場合、一から自作する必要はありません。「リクルートエージェント」「doda」「ビズリーチ」「マイナビ転職」といった大手転職支援サイトがテンプレートを提供しています。各社ともWordやExcel形式でダウンロードでき、内容を入力すれば見た目の良い職務経歴書が仕上がります。

各サイトとも内容、デザインに大きな違いはありません。ご自身の登録するサイトのテンプレートを利用すると良いでしょう。

Wordなどの文書作成ソフトで自作する

職務経歴書はフォーマットから自作することもできます。自作の利点は、項目を自由に決められることです。資格を削除したり、「仕事に活かせる経験や知識」のスペースを広げて大々的にアピールすることも可能です。

職務経歴さえきちんと書かれていれば、フォーマットにこだわる必要はありません。ただし、あまりにも他の応募者と異なると、悪目立ちする恐れがあります。そのため、自作する場合でも転職支援サイトで公開されているテンプレートを参考にしましょう。

作成に用いるソフトは、Microsoft WordやExcelが一般的です。表を多用しないなら、自由度の高いWordをおすすめします。

職務経歴書をパソコンで自作する際のポイント

A4サイズ縦の用紙設定で横書きで記述

職務経歴書はA4サイズで作成します。書類は縦に使い、横書きで記述するのが鉄則です。ビジネス書類の多くはA4サイズで作成されます。職務経歴書も同じ形式です。メールで送信する場合も、印刷される可能性を考えA4サイズを遵守しましょう。

ページは多くても3枚以内に収める

ページ数はできる限り3枚以内に収めるように努力します。採用担当者は多数の応募書類を審査しなければなりません。長い書類は最後まで読んでもらえず、無駄になる恐れがあります。

転職回数が多く3枚で収まらない場合は、編集で工夫しましょう。読みづらくならない程度に行間を詰めたり、文章の冗長表現を見直す作業が有効です。それでも収まらなければ、10年以上前の職歴を簡略化しましょう。詳しい説明を省き、会社名・在籍期間・職務内容など最低限の記載にとどめます。

フォントサイズは12ポイントが推奨

一般的に多くの人が読みやすい文字サイズは12pt以上と言われています。Wordで書類を作成する場合、標準フォントは10.5ptです。読みやすいサイズよりも小さいため、あらかじめ設定を変えておくと良いでしょう。

職務経歴書は文量が多くなりがちです。内容をしっかり読んでもらうためには、読みやすさへの配慮が必須です。

フォントの種類は読みやすさを重視

フォントも読みやすさに配慮して選択します。おすすめは「MS明朝」「游明朝」などのメジャーな明朝体です。明朝体は角がはっきりしており、小さな文字でも読みづらくなりません。ゴシック体を使用すると、小さな文字や複雑な漢字が潰れて見える恐れがあります。

文書にメリハリを付けたい場合は、見出し部分のみゴシック体に変えると効果的です。ゴシック体は視認性が高く、太字にしたときに目立ちます。見出しに視線を集め、自然な流れで本文に誘導できます。

大見出し・小見出しなどの区別を明確に

職務経歴書をつくるときには、「タイトル」「大見出し」「中見出し」「小見出し」などの区別を明確にします。見出しの種類に応じた文字の大きさや太さ、フォントの種類、行頭文字などを選び、目立たせましょう。項目やまとまりがひと目でわかり、内容が伝わりやすい書類に仕上がります。

一般的な構成なら、「大見出し」にあたるのは「職務概要」や「職務経歴」などの項目部分です。「職務経歴」に記述する「在籍期間」と「会社名」を中見出しに、「事業内容」「配属部署」などの箇条書き部分を「小見出し」として考えると良いでしょう。

職務経歴書をパソコンで自作する際の基本構成

職務経歴書の基本構成

①職務概要

②職務経歴

③資格

④仕事に活かせる経験・知識

職務経歴書には定められたフォーマットがありません。自作する場合、どのような項目を設けても自由です。しかし転職を成功させるには、あなたが歩んだ道筋と、新たな仕事で活かせる経験やスキルが端的に伝わる書類を作成しなければなりません。それには、上記4ステップで構成すると効果的です。長くなりすぎず、読みやすい書類に仕上げられます。

なお、④で自己アピールが十分にできないなら、別途「自己アピール」の項目最後に加えても構いません。

①要約から入り職歴全体を簡潔に掴めるよう工夫する

職務経歴書は「職務概要」から書くのが一般的です。職務概要は職務経歴全体を要約した文章です。時系列で書くことで、これまで社会人として歩んだ道筋を簡潔に伝えられます。採用担当者の興味を引き、積極的に書類に目を通すきっかけをつくれるでしょう。

転職回数が多い人にとっては、採用担当者の理解を促す大きな助けにもなります。何社もの詳しい経歴を同時に頭に入れるのは困難です。要約で全体の流れが簡潔に掴めれば、職務経歴が正しく伝わらない心配がなくなります。

②職務経歴を順に書く

職務経歴の記入例

職務経歴は会社ごとに記載します。まずは「在籍期間」と「会社名」を明記した上で、詳しい内容に言及すると良いでしょう。書くべき内容は「会社の簡単な紹介」と「あなたが何をしてきたか」です。会社の紹介部分は、あまり目立たせる必要はありません。大切なのはあなたの経歴です。行頭文字で項目を強調した上で、できる限り具体的に記述しましょう。

なお、複数の転職経験がある場合は、古い順に書くのが一般的です。「編年体」と呼ばれ、時系列でこれまでの経歴を把握できます。

<h4>直近の経歴をアピールするなら逆編年体で

経歴を新しい順に書く「逆編年体」のスタイルもあります。応募する会社が直近の経歴と同一業界の場合に有効です。

社会人初期に別業界で仕事をしていた人は、編年体で書くと応募企業と無関係な業務を先頭に書くことになります。そこで逆編年体にすれば、応募企業と結びつく直近の仕事が先頭になり、キャリアの繋がりを強く主張できます。

<h4>転職回数が多いなら業務分野でまとめる方法も

転職回数が多い人は、編年体や逆編年体だと職種に一貫性を欠いて感じられることがあります。その対策として、「営業職」「販売職」など業務分野ごとにまとめて記載する方法が有効です。

職種ごとに古いものから順に挙げていくことで、キャリアに一貫性が感じられます。転職回数が多くても、当該分野のスペシャリストを目指し努力してきた姿勢を示せるでしょう。

③保有する資格を列挙する

業務に直結する資格がある場合、資格スペースを設けてアピールします。「職務経歴」や「仕事に活かせる経験・知識」とあわせて読まれることで、資格を保有する強みをより深く感じてもらえます。

業務に直結する資格がない場合は、無理にスペースを割く必要はありません。職務経歴書の構成は自由です。「なし」と記述するよりは、スペース自体を設けない方が自然です。

④転職先で活かせる経験や知識を書く

最後に「仕事に活かせる経験・知識」を書きます。職歴が新たな仕事にどう結びつくか示すためです。これまでに得られた経験やスキルが、転職先で大きな力になることをアピールしましょう。未経験の仕事に挑戦する人は、これまでの仕事で得られた成功体験や失敗からの学びを、新たな仕事への意欲に結びつけて記述すると良いでしょう。

パソコンで作成した職務経歴書の例

パソコン作成の職務経歴書の例

①は大見出しです。全体のバランスを欠かさぬ程度に文字を大きくし、フォントをゴシック体に変えるのがおすすめです。

②の在籍期間・会社名は中見出しに該当します。大きさや太さを変えて目立たせましょう。ここでは太さを変えています。飾り文字で有効なのは太字と下線です。赤文字や斜体は使用しません。

③は分かる範囲で記述します。資本金や従業員数は、適当な予想で書くと虚偽になる可能性があります。明確でない事項は書く必要がありません。

④はあなたの経歴部分です。行頭文字で目立つようにアレンジしましょう。挙げるべき項目は、会社ごとに臨機応変に対応します。例えば少人数の会社で配属部署の区分けがない場合は、部署を書く必要はありません。

⑤は取得年月まで忘れずに記載しましょう。アピールになる資格が何もなければ、項目自体設ける必要がありません。

パソコンがない場合の職務経歴書の作り方

市販用紙や職務経歴書のフォーマットに手書きする

職務経歴書は手書きでも作成できます。用紙は文具店、100円ショップなどで購入可能です。中でも100円ショップは履歴書・封筒もセットになっていることが多く、コストパフォーマンスに優れています。

注意点はサイズとレイアウトです。市販品はB4二つ折りが多く、人によっては記入したときに小ささを感じるかもしれません。字をできるだけ見やすくはっきり書くなどの工夫が必要です。また、レイアウトにバリエーションがなく、「職歴が収まらない」「自己アピールが十分にできない」などの問題が生じる恐れがあります。必ず下書きをしましょう。

スマホで大手転職サイトにアクセスできる場合は、フォーマットをダウンロードして使用することもできます。ネットプリントを利用して、コンビニのマルチコピー機から印刷すれば用紙が手に入ります。

職務経歴書をスマホで作成するサービスを使う 

スマホで職務経歴書を作成できるサービスもあります。アプリやブラウザに必要情報を入力すると、自動で職務経歴書の書式に整えてくれる仕組みです。作成したデータはPDF形式でダウンロードしたり、ブラウザ上で閲覧できます。

スマホで作成した書類は必ずあなた自身で精読し、内容の間違いや不足がないか確認しましょう。意図しない表現がなされていたり、アピールポイントが十分に引き出されていない可能性があります。

また、作成した職務経歴書の内容に納得がいかない場合は、それを参考にしながら、自身で手書きすることをおすすめします。

手書きのPDF化はコンビニまたはスマホで可能

企業から職務経歴書のメール送付を指定された場合、手書きの書類はスキャンしてデータ化しなければなりません。その際、スキャナーがない人はコンビニのマルチコピー機を使えば、手書きデータをPDF化できます。あらかじめスマホにアプリをダウンロードしておけば、スマホへの保存も可能です。

また、スマホの内蔵カメラを使い、自身で書類をスキャンする方法もあります。iPhoneはメモ機能を、AndroidはGoogleドライブを使用します。いずれもスキャン時のズレや歪みに細心の注意が必要ですが、うまくスキャンできれば、お金や機器が必要ありません。

職務経歴書を手書きで作成するメリットもある

面倒だからこそ強い情熱や志望度の高さを伝えられる

職務経歴書を手書きする最大のメリットは、情熱や志望度の高さが伝わりやすいことです。情報量の多い職務経歴書を手書きで仕上げるのは、容易なことではありません。

採用担当者も手書きの大変さを理解しています。綺麗に仕上げた書類を見れば、仕事にかける情熱や、会社への強い想いを読み取ってもらえるでしょう。

綺麗に仕上げれば丁寧で几帳面な人柄を示しやすい

手書きの職務経歴書には、丁寧で几帳面な性格を伝える効果もあります。手書きで仕上げるまでには、鉛筆での慎重な下書きや正確な清書、インクの滲みへの注意など、細かな作業が必須です。努力して仕上げられた書類は、手に取れば分かります。採用担当者に「丁寧」で「几帳面」な人柄を伝えられるでしょう。

丁寧さや几帳面さは、経理やデータ入力、校閲など正確さが必要とされる仕事で必須です。これらの仕事を志望する人には、手書きが特に効果的です。

応募する企業に適した方法で職務経歴書を作成しよう

職務経歴書の形式は、応募する企業に合わせることが前提です。例えば伝統を大切にする企業の場合、「応募書類は手書きで」という価値観が残っているかもしれません。逆に高度なPCスキルが要求される業界だと、パソコンで仕上げることが当たり前だとみなされるでしょう。

職務経歴書の作成は、パソコンが圧倒的に便利です。しかし安易にパソコンを選ぶと、良い印象を与えられない可能性もあります。業界研究や企業研究をしっかりと行い、応募企業に適した形式を見つけ出すことが大切です。効果的な職務経歴書を作れるよう、努力を重ねていきましょう。

らくだ先生
職務経歴書を作成するポイント
  • 応募企業に合わせたフォーマットや作成方法を選ぼう
  • パソコンと手書きにはそれぞれメリットとデメリットがある!
  • 事細かに書くよりも効果的なアピールになるように意識しよう

正社員の仕事探しは転職サイト|クリエイト転職

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