このページでは履歴書の「自己PRの書き方」について解説しています。

自己PRは履歴書の中でも志望企業に自分を採用してもらうためにとても重要なアピール材料であり、ポイントを押さえて仕上げることが大切です。

入社後に活躍できる人材であることが伝わるように経験とスキルを効果的に盛り込んで、採用担当者に適正や魅力が伝わる自己PR文を仕上げましょう。

履歴書における自己PRとは?

履歴書における「自己PR」は志望企業に採用してもらえるよう、自分の強み・長所・得意分野などをアピールすることです。

履歴書の自己PR欄は300~400字程度なので、ポイントを押さえて具体的にまとめる必要があります。

自分の長所を単に伝えるだけではなく、「長所を活かして入社後にどう貢献できるか」を明示しなければなりません。

「自分を採用すると会社にどのようなメリットがあるか」を根拠とともに履歴書の中で伝えることが大切です。

履歴書において効果的な自己PRを書くには、以下3つのポイントを押さえましょう。

自己PRを書くときのポイント

① 自分の長所・強み・得意分野を明確にする

② ①を活かして成果を挙げた経験を思い出す

③ 入社後に経験を活かして貢献できることを考える

3つを順番にまとめることで、入社後に活躍できる人材として評価してもらえる自己PRになるでしょう。

履歴書の自己PRでは何を見られている?

企業の採用担当者は履歴書の自己PR欄から、「応募者の経験やスキルが社風や業務内容にマッチしているか」を確認しています。

したがって、自己PR欄には自分の強み・長所の中でも、応募企業と業務に求められているものを書くことが大切です。

さらに「企業が応募人材に求めている強み・長所」を選び抜いて明確に伝える必要があります。

いきなり自己PRを書き始めるのではなく、まずHPや資料を使って企業研究し、その会社とリンクする強み・長所を見つけましょう。

例えば、斬新なアイデアを重視するベンチャー企業であれば、「目標達成に向けて柔軟な意見を発信できる」という長所が評価されやすいです。

この長所を「提案力」というスキルとしてアピールすると、高い評価を得られるでしょう。

このように企業が何を求めているか把握し、業務に活かせるスキルをピックアップすることがポイントです。

また、自己PRは面接の場でも採用担当者から聞かれることが多いため、話す内容も意識して書くことでしっかりとアピール出来ます。

履歴書に書く自己PRの例文

自己PR例文【就活・転職用】

就活・転職ともに、「私の長所(強み)は○○です」と結論から述べ、根拠として具体的な経験を提示します。

最後は成果や学んだことを材料に、入社後に貢献できることをまとめましょう。

新卒・就活用の例文

【リーダーシップ】

私の長所は人を巻き込むリーダーシップがあることです。大学では映像研究会の会長を務め、大学4年生のときには出場200チームの中から3チームが選ばれる「〇〇〇学生広告クリエイティブアワード(映像賞)」を獲得しました。

最初の頃は個性豊かなメンバーとなかなか方向性がまとまらず苦戦しましたが、その個性を活かし、メンバーの強みにあった役割分担を行うよう心がけました。またお互いの意見を尊重し合いながら目標に向かえるよう、リスクを恐れず新しいアイデアやチャレンジは積極的に受け入れる姿勢を持ちました。失敗を恐れずに挑戦することで、チーム全体の成長に貢献できたと考えています。

メンバーや仲間との関係を築くことで、チーム全体のモチベーションを高め、共に目標達成に向けて一丸となれることを実感しました。この経験を活かして、新しい職場においても自主的にリーダーを務め、チーム全体の成功に貢献したいです。

【相手の意図を汲み取る力】

私の長所は、相手の意図を汲み取って言語化する力です。私の能力が発揮された場面で最も多いのが、チームで行うミーティングです。私のアルバイト先の塾では、月に1回、生徒に効果的な授業を行うためのミーティングをしていました。そこには、性格が多様で異なる意見や能力を持つメンバーが集まっており、議論が進む中で論点が本題とずれてしまうことや、個人が本来伝えたい意図が、間違って他のメンバーに伝わってしまう場面が多くありました。

私はその際に、各々が伝えたいことを丁寧に汲み取り、誰がどんな意見を持っているかを整理し、目的の再確認をしながら、必要な要素を言語化して全体に伝え、その後の議論展開をスムーズにする役割を担い、有意義なミーティングを行えるようにしました。この強みを、貴社に入社した後、営業における取引先との商談やミーティングの場面などにおいても生かしていきたいと考えています。

【好奇心が強い】

私は好奇心旺盛で、何事にも主体性を持って挑戦します。私は、飲食店でアルバイトをした経験があり、そのお店では、リピーターを増やすためにオリジナルメニューを1品提供していました。オリジナルメニューは毎月社員さんが考案していましたが、うまくいかずにお店の売り上げは毎月2%ほど前月比で落ち続けていました。その改善に貢献したいと思い、元々商品企画に強い関心があったため、自分で商品企画について勉強してオリジナルメニューを自ら提案しました。

メニューを考える際に、他の店舗でヒットしたものや世の中の流行を徹底的に調べ、実際に試作も行いました。そして、初めて4ヶ月で自分の考えたメニューが採用され、多くのお客様に注文してもらうことができ、その月の売上は前月比から5%改善しました。この好奇心の強さと追求力を生かし、貴社でも新しいことに主体的に挑戦し、売上に貢献します。

転職用の例文

【協調性】

私は仕事において協調性を大事にしています。前職ではWebサイトや代表を開発するエンジニアとして、多くのプロジェクトに参加し、経験を積む中で、技術力とコミュニケーション能力の両方を高めることができました。プロジェクトの成功にはチームでの協力が欠かせません。そのため、積極的に他のメンバーと議論を交わし、意見を出し合いながら、問題解決に向けた努力を重ねてきました。 多様性に富んだプロジェクトに携わる中で、チーム全体の力を最大限に引き出すためには協調性が重要だと学びを得ました。

またWebサイトやその開発において、技術的な課題に決着することがありますが、そのような場面で柔軟な発想と対応力を発揮してきました。

より挑戦的なプロジェクトに携わり、より多くのスキルを身につけたいという強い思いから転職を希望しました。貴社では、新しい先進的な技術を継続したプロダクト開発に携わる機会が豊富にあります。自らの経験と能力の中で、貴社の目標達成に貢献したいと考えています。

【責任感】

私は後輩の育成を3年間担当し、業務を遂行する中で責任感が自身の強みであると感じています。

私の担当エリアでは、事業拡大のために多くの中途社員や新入社員を採用しましたが、マネジメント側の人材が不足しており、成果が出せないだけではなく、採用した若手が辞めてしまうという悪循環が起こっていました。この課題を解決するために、新人4名の教育担当を率先して引き受けました。しかし、自分だけではサポートが行き届いていないと感じたため、トップに相談し、教育担当をチーム分けし、新人に寄り添ってサポートできる体制を整えました。この改善によって、チーム全体で新人を育てる意識が芽生え、徐々に成果が上がってきました。

このような課題意識と解決策を見つけるための行動力は、責任感が私の強みであることを示しています。 私は常にチーム全体の成果に責任を持ち、課題に真剣に向き合い解決に取り組む姿勢で貴社に貢献していきます。

【コミュニケーション能力】

私は多くのプロジェクトに参加する中でコミュニケーション能力を高めました。話し合いの場にて心がけていることは、傾聴力と発言力をバランスよくとり、相手の意図や要求を正しく理解することです。これにより、効果的なコミュニケーション課題や課題解決策についてチーム内外と協議に対話し、共通の目標に向けて協力することが可能です。

また、前職がグローバル企業だったため、異なる背景や文化を持つ人々とのコミュニケーションにおいても、正しい言葉選びや表現力を尊重し、有利を解消し信頼関係を築く努力をしてきました。チーム一丸となり目標達成することを志し、貢献してきました。

貴社でもコミュニケーション能力を活かして、チーム全体の協力と効果的な情報共有を推進し、より良いパフォーマンスと効率を実現していきます。

自己PR例文【アルバイト用】

アルバイトは就活・転職の場合より簡潔にまとめて構わない場合もあります。

ただし、即戦力として貢献できることをアピールする点は共通しています。

【コミュニケーション能力】

私の強みは3年間のアパレルショップ経験で培ったコミュニケーション能力です。ショップ店員としてお客様と直接接する中で、お客様には様々なバックグラウンドやニーズがあることを理解し、心を込めたコミュニケーションを心掛けてきました。笑顔を絶やさず、店内では快適に過ごしてもらえるような環境作りを意識しました。

さらに、商品の特徴や素材、トレンドについても学んできました。その知識をお客様に正確かつ魅力的に伝えることは、購入満足度を高めるために重要だと考えたからです。相手のニーズを聞き取り、適切な提案を行うことで、お客様の満足度を向上させることができ、担当店舗では常に売り上げ3位をキープしていました。これらの経験から、コミュニケーション能力を活かし、貴社の商品販売に貢献していきます。

【課題解決能力】

私の強みは課題解決能力があることです。以前、飲食店のキッチンスタッフとして働いていたのですが、注文が多いピーク時は料理を提供するスピードと品質を両立させることが難しいことが課題としてありました。

まず、仕事の進め方に関するボトルネックを洗い出すために、スタッフ同士で会議を設けました。次に、スタッフ全員が連携してスムーズに動けるよう、新しいタスク分担を導入しました。調理担当者、盛り付け担当者、配膳担当者の役割を明確にし、効率的な連携を図ることで提供スピードがアップしました。

料理提供の流れを改善するためにも、調理器具や調味料の構成を見直したり、配置を変更することで作業効率が徹底的に向上しました。貴社の業務においても課題と改善を繰り返し、貢献していきます。

【行動力】

私は自身の行動力を発揮し、店舗の売り上げに貢献した経験があります。以前働いていたアパレルショップでは、新商品を積極的に売り込んでいくことが課題でしたが、なかなか売れ行きが伸びていない状況にありました。

そこで私は、その商品の特長をより効果的に伝えるための企画を考えました。商品の魅力を伝えるための販促ツールの作成や、店内ディスプレイの見直し、定期的に通ってくださる顧客へのヒアリングなどを提案し、実施しました。結果、新商品は徐々に人気を伸ばし、店舗目標を達成することができました。 さらに、他のスタッフにもアプローチ方法を共有し、収益向上に貢献することができました。

この積極的に取り組む姿勢や柔軟な発想が、チーム全体のモチベーションを高め、店舗のパフォーマンス向上につながることを実現しました。新しい環境においても、自主的に行動し、チームと協力しながら成果を挙げることを心掛けていきます。

履歴書の自己PRの書き方と構成

ここまでで紹介した自己PRに盛り込むポイントをどうまとめていくか、具体的な書き方と構成を確認しましょう。

自己PRは「結論(長所や強み)⇨具体的な経験⇨まとめ(入社後に貢献できること)」の順にまとめます。

アピールポイントを1つに絞る

まずは自分が今まで経験した活動や仕事の内容をしっかり思い出します。

その内容の中から、応募企業が特に評価してくれそうな強み・長所を洗い出しましょう。

「あれもこれも」と複数のアピールポイントを詰め込むと、まとまりがなくなり逆効果になるので、注意が必要です。

自己PRの材料自体は複数用意し、企業ごとに変えることが大切です。

その上で、応募企業に親和したアピールポイントを1つに絞りましょう。

「企画職」を目指しているのに、「販売経験で培った傾聴力」という強みをアピールしても意味がありません。

自己PRにおいては企画職に活かせる「斬新なアイデアを思いつく発想力」という強みへ言い換えるといった工夫が必要です。

数字や独自エピソードを使って成果をまとめる

続いて、実際に強み・長所を活かして成果を挙げた経験を、なるべく具体的にまとめましょう。

「売上目標の120%を達成」「500チーム中上位20チームに選出」など、数値を提示すると成果への信頼度を高められます。

数字で表せる成果がない場合は、エピソードをなるべく印象的に仕上げるのがポイントです。

チーム内での役割や先輩から褒められた言葉などから、オリジナリティのあるエピソードを伝えると好印象を与えることができるでしょう。

採用担当者が確認したいのは「成果そのもの」ではなく「入社後に活躍できるか」です。

「この人を採用すれば事業がうまくいきそう」と思ってもらえる内容に仕上げることを意識し、より良いエピソードを選びましょう。

入社後の目標で締めくくる

最後に「経験・強みを貴社の業務でも活かし、成果を挙げていきたい」と入社後の目標で締めくくります。

ここで「この経験・スキルを活かして成果を挙げたように、貴社でも成果を挙げたい」とまとめるため、親和性が重要なのです。

自分のスキルと企業の求めているスキルの親和性をアピールして、入社後にどう貢献できるかしっかり示しましょう。

自己PRと強み/長所の違い

「自己PR欄には強みや長所を書く」と説明しましたが、履歴書には自己PR欄とは別に「強みや長所」を書く欄があります。

そのため「自己PR」「強み」「長所」のそれぞれの意味合いを把握すると、よりスムーズに書きやすくなります。

強みはスキルそのもの

まず強みは「提案力」「リーダーシップ」など、仕事で会社の期待に応え、実績を出すために必要なスキルそのものです。

採用担当者は応募者が、自社の業務にマッチし、かつ仕事を遂行できるスキルを持っているか見極めたいと考えています。

したがって強みは、応募者が入社後に活躍できることの根拠となる、最も重要なアピールポイントです。

長所は人柄・性格

一方、長所は「応募者の人柄・性格における優れた点」を指します。

「前向き」「主体的」「真面目」などといった本人の人柄を指すため、スキル自体を指す「強み」とは意味合いが異なるのです。

採用担当者は応募者の長所を、強みと同じく自社の業務にマッチしているか確認します。

同時に長所をうまく説明できるかどうかによって、「自分の性格を客観的に把握できているか」を見極めています。

自分の性格を客観的に把握し説明できる人は、自分の行動を省みる能力があるはずです。

結果的に自分の感情を観察し、コントロールしながら、冷静に業務を遂行できる人材として評価されることにつながります。

自己PRは強み・長所をアピールする要素

自己PRはこれらの「強み・長所を、応募企業で活かせるスキルとして伝えるための要素」を指します。

自分が強みを武器に活躍できる人材であることを後押しするのが、自己PRの役割です。

強み・長所・自己PRは内容が被っても問題ありませんが、「手抜き」と思われないよう、書き方や言い回しを変化させましょう。

強みや長所の欄は簡潔にまとめ、自己PRで同じ内容を掘り下げるのがおすすめです。

自己PRでは強みと長所のいずれを軸にしても構いませんので、書きやすい方を選んでみてください。

ただし、いずれも入社後にどう活かせるかという点を忘れないようにしましょう。

自己紹介は肩書を伝えること

「自己紹介」と「自己PR」を混同する人がいますが、自己紹介は単に自分の肩書を伝える行為です。

一般的に面接では「自己紹介」で名前や経歴などの事実を伝え、そのまま強みや長所を伝える「自己PR」に移ります。

履歴書では名前や住所などを書く基本情報欄と、学歴・職歴などを書く経歴欄が「自己紹介」のための欄にあたります。

自己PR・強み・長所・自己紹介など、それぞれの欄の目的を意識して、正しく書き分けましょう。

自己PRと志望動機は同じ?

「志望動機と自己PRには同じ内容を書く」と考えている就活生がいるかもしれませんが、両者は役割が異なります。

志望動機は応募企業を志望する理由を書いた上で、「入社後に自分がどう貢献できるか」を伝えます。

自己PRとの最大の違いは、「入社後にどう貢献できるかの根拠まで伝えるかどうか」という点です。

志望動機欄には簡潔に今後の目標や貢献できる内容を書き、自己PRには具体的に何ができるかを理由とともに書きます。

つまり志望動機は「未来にやりたいこと」、自己PRは「過去にやってきたこと」をまとめるのが特徴です。

志望動機では「入社後にスキルを活かして貢献したい」と伝えます。

一方自己PRでは志望動機を踏まえて「過去にこのようなスキルを習得したので、入社後に貢献できる」と伝えるのです。

両者は一貫しているものですが、それぞれ未来と過去を担っており、書く内容に違いがあることを覚えておきましょう。

また採用担当者が志望動機から読み取っている内容は以下です。

採用担当者が重視しているポイント
  • 競合ではなく自社を選んだ理由

  • 志望順位・入社意欲の高さ

  • 自社への理解度の深さ

「この会社でなければならない理由」が明確にあり、志望度が高い人材であれば、離職する可能性が低いです。

また事業内容や企業理念をしっかり調べている人は、熱意が高いだけでなく、会社の方針に納得した上で選考を受けています。

風土・文化・目標などを受け入れている人材であれば、入社後は会社のために活躍してくれる可能性が高いでしょう。

したがって、共感できた事業内容や理念なども盛り込んで志望動機をまとめることが大切です。

自己PRが思いつかないときの対処法

自己PRに盛り込むエピソードが思いつかず、どうしても書けない場合は、自分の経験を順番に振り返りましょう。

大きな成功体験がない人は、些細な出来事も含めて、自分が辿ってきた道筋を思い返してみてください。

数字で表せる実績ではなくても、苦手を克服したり、困難を乗り越えたりした経験は誰もが持っているはずです。

資格取得のため、通信教育を受けたことがある就活生を例にあげましょう。大学の講義やアルバイトの合間に勉強し、資格を取ったとします。

短期で合格できるはずの資格だとしても、忙しい中で時間を作り、粘り強く勉強に取り組んだことは自己PRでのアピール材料になります。

結果的に以下のような自己PRが作成できます。

【自己PRの例文】

私の長所は粘り強さです。大学時代に講義やアルバイト、サークルなどで忙しく、ほとんど時間を取れない中でも、資格取得のための勉強に取り組みました。スキマ時間を有効活用した結果、大学卒業前に合格することができました。この粘り強さと身に付けた知識を活かして、貴社の業務に貢献したいと思います。

またインターネット上で使える無料の自己分析ツールを使って、得意分野や好きなものを明確にしてみるのもおすすめです。

自分の関心や適性を把握するだけで、忘れていた自分の成功体験や強みを思い出す可能性があります。

自己分析ツールも活用しながら、自分を売り込める要素を見つけて、効果的な自己PRを書きましょう。

らくだ先生
自己PRを書くときのポイント
  • 履歴書の自己PR欄には、自分を採用した会社にどのようなメリットがあるか記入しよう!

  • 自己PRは強み(スキル)長所(優れた人柄)をアピールできる項目。根拠となる具体的なエピソードとともに記入しよう!
  • 志望動機欄には「将来貢献できること」、自己PR欄には「将来貢献するために活かせる過去の経験・スキル」を記入しよう!

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